名鉄3400系電車

名鉄3400系電車の概要

名鉄3400系電車は、名古屋鉄道（名鉄）が1937年に導入し、主に優等列車に使用されるよう設計された電車です。この電車は、名鉄の直流1,500 V電化路線で運行される吊り掛け駆動式車両の一種であり、間接自動進段制御器を搭載したAL車に分類されます。3400系の特徴的なデザインは、流線形状の前頭部と、車体下部をスカートと呼ばれる覆い板で覆った形状から成り立っています。このような外観は、3400系が名鉄社内で「流線」と呼ばれ、鉄道ファンの間では「いもむし」という愛称でも知られています。

歴史的背景

3400系は、愛知電気鉄道と名岐鉄道の合併によって設立された名古屋鉄道において、初めての新型車両として登場しました。1936年に多くの来場者が予想される汎太平洋平和博覧会を前に、名鉄は東西の路線での輸送力を増強するために新型車両の導入を計画しました。この時期、流線形デザインの車両が人気を博していたため、3400系もその潮流に沿ったデザインであり、旧愛電の設計図を元に新規に設計されました。このため、3400系は東部線での運用を目的とした新車両群の中で最も先進的な設計を持っています。

特徴と設計

3400系は、全長約19メートル、全幅約2.74メートルの半鋼製車体を持ち、前面は流線形状になっています。車両外板は溶接構造であり、リベットを使用せずに驚異的な一体感を醸し出しています。さらに、車体下部のスカートは人間工学的にも優れており、乗降の際にも配慮されています。座席は全席転換クロスシート仕様で構成され、快適性が重視されています。これらの設計により、3400系は名鉄において運行される多種多様な列車に適応する能力を持っていました。

運用と変遷

初めての営業運転は1937年3月に行われ、以降3400系は特急や急行列車に充当され、主力車両としての地位を確立しました。しかし、この車両は戦後に電圧規格の統一に伴い、編成の長さが2両から4両へと変更されました。この変化により、1948年から1953年にかけて中間電動車や付随車を追加し、全編成が4両編成に改編されました。

1967年からは重整備工事が施され、外観や内部装置が近代化されましたが、特徴的な流線形状は維持されました。その後、1988年には2編成が廃車となりましたが、3403編成は名鉄のシンボルとして動態保存されることとなり、改装を経て運用が続けられました。1994年には冷房化も実施され、旅客サービスの向上が図られました。

最後の運用と廃車

動態保存された3401編成は、数多くのイベントに登場し、2002年に最後の運用を迎えました。運用終了後、3401編成は静態保存され、名鉄における歴史的な存在として保管されています。3400系の流線形デザインや高性能は、今も多くの鉄道ファンに親しまれ続けています。

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