向島 (山口県)

向島（むこうしま）

向島は、山口県防府市の南部に位置し、瀬戸内海に浮かぶ美しい島です。この島は、1950年に開通した錦橋によって本土とほぼ接続され、交通の便が大幅に向上しました。特に注目すべきは、錦橋が航行の妨げにならないように設計された可動橋という点であり、これは観光や物流にとっても重要な役割を果たしています。

地勢・自然

向島の面積は約7.95平方キロメートルで、最高峰の錦山は354メートルの高さを誇ります。島全体は常緑広葉樹林に覆われ、豊かな自然環境が広がっています。特に知られているのは、ホンドタヌキの生息地としての顔です。1926年に「向島タヌキ生息地」として国の天然記念物に指定され、当時は約2万頭もいたと言われています。しかし、近年では錦橋の開通によって野犬が増加し、タヌキの生息数は大きく減少しています。野犬による食害が懸念されています。このような状況にどう対応するかが、今後の課題となるでしょう。

公共施設

向島にはいくつかの公共施設があります。主なものとして、防府市役所向島出張所や防府市立向島小学校が挙げられます。なお、島内には中学校が存在しないため、華陽中学校が校区となっています。また、島のシンボルとも言えるのが、1920年頃に植えられた寒桜です。これらの桜は「防府市向島の寒桜」として知られ、2018年には新しい栽培品種「ホウライザクラ」として認定されました。

交通

交通アクセスは、JR山陽本線の防府駅から防長バスに乗ることができます。小田港行きのバスが運行しており、終点までの所要時間は約19分です。しかし、バスの本数が非常に限られているため、事前に時刻表を確認しておくことが重要です。

関連項目

向島に関連する情報として、ぷらざFM（FMわっしょい）があります。このラジオの送信所は錦山に設置されており、地域の情報を発信しています。また、山口県道185号防府停車場向島線も重要な交通路です。そして、公益財団法人日本花の会もあり、前述の蓬莱桜の認定を行った公益法人として活動しています。

参考文献

• - 花井正光「向島タヌキ生息地」『日本の天然記念物』加藤陸奥雄・沼田眞・渡部景隆・畑正憲監修、講談社、1995年3月20日、721頁、ISBN 4-06-180589-4。

向島は、自然環境が豊かで文化的な背景も深い魅力的なスポットです。訪れる価値のある島で、今後もその魅力を維持していくことが期待されます。

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