吹上温泉 (北海道)

吹上温泉の魅力

吹上温泉は、北海道空知郡上富良野町に位置する自然豊かな温泉地です。この温泉は、独特な泉質と手軽に楽しめる設備がそろっており、多くの旅人を魅了しています。

泉質と効能

吹上温泉の湯は、酸性のカルシウム・ナトリウム硫酸塩・塩化物泉で、無色透明で酸味があり、無臭です。源泉温度は47℃で、pHが2.6という特性があります。この温泉は、神経痛やリューマチ、慢性皮膚病、婦人病などに効果があるとされていますが、その効能は人によって異なるため、万人に保証されるものではありません。

施設の紹介

この温泉地には、一軒宿の「白銀荘」が存在し、近代的な設備が整っています。宿泊施設は48名まで収容可能で、自炊が可能な相部屋の素泊まりの選択肢もあります。さらに、男女合わせて8つの湯船があり、庭園風の大きな露天風呂も楽しむことができます。「白銀荘」からは、かつての山小屋の面影を残す旧館が近くにあり、訪れる人々に歴史を感じさせます。また、近隣にはキャンプサイトも完備されています。

徒歩5分ほどの場所には、混浴の無料露天風呂「吹上露天の湯」があります。この湯は大きな岩盤の上に築かれ、脇を流れる滝の音を聞きながら、自然に囲まれたリラックス効果を楽しむことができます。冬季には湯温調整のためのスコップが用意され、入浴者はそれを使って適温に保つことができます。この混浴露天風呂は、テレビドラマ「北の国から'95秘密」にも登場し、その存在感を高めました。休日は多くの利用者で賑わっていますが、簡易トイレや駐車スペース、そして照明設備がないため、自然の中での入浴を楽しむにはある程度の自覚が必要です。

歴史

吹上温泉は1897年（明治30年）に発見され、その後数十年にわたり温泉宿として営業が行われました。温泉の運営は1932年（昭和7年）に始まりましたが、1943年（昭和18年）には宿が廃業しました。その後、露天風呂は長く放置されていましたが、1962年（昭和37年）の十勝岳噴火後には温泉の湯温が急激に下がり、入浴が不可能となりました。しかし1988年（昭和63年）に再び噴火があり、湯温が回復したことで、1991年（平成3年）には「吹上露天の湯」として整備され、1997年（平成9年）には山小屋「白銀荘」が新しい温泉施設として生まれ変わりました。

アクセス

吹上温泉へのアクセスは、公共交通機関を利用する場合、富良野線の上富良野駅から上富良野町営バス十勝岳線に乗り約30分、「吹上温泉保養センター前」で下車すればすぐに到着します。自動車でのアクセスは、道央自動車道滝川ICから国道38号や国道237号経由で、美瑛方面へ向かい約2時間の移動です。ただし、白金温泉からアクセスする際は、冬季通行止の道があるため、注意が必要です。

このように、吹上温泉は豊かな自然環境とともに、歴史ある温泉文化を体験できる場所として、多くの人に親しまれています。

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