呂曠

呂曠について

呂曠（りょこう）は、中国の後漢時代末期に活躍した武将であり、正確な生没年は不詳です。彼は兗州東平郡の出身で、歴史書『後漢書』や『三国志』にその名が残っています。彼の人生は主に曹操や袁紹との関係を中心に繰り広げられており、その行動は当時の歴史的背景に深く影響を及ぼしました。

正史に見る呂曠

呂曠は、袁紹の三男・袁尚の部下で、同じく同族とされる呂翔と共に活動していました。建安8年（203年）の夏、呂曠は袁尚に従い、彼の兄である袁譚を包囲しました。袁譚は追い込まれると曹操に降伏し、その後、曹操は彼の救援に向かいました。しかし、この混乱の中、呂曠と呂翔は袁尚に対して反逆し、陽平に駐屯します。その後、彼らは曹操に降伏し、列侯に封じられる運命を辿ります。

その後、袁譚は呂曠と呂翔に将軍の印綬を授けて彼らを懐柔しようと試みましたが、彼らはその申し出を一切拒絶しました。その行動は逆に呂曠が曹操にこの件を密告するきっかけともなり、結果的に彼らは歴史書から姿を消すことになるのです。

三国志演義に見る呂曠

小説『三国志演義』においては、呂曠は呂翔の兄として描かれています。物語の中では、兄弟は袁譚の説得を受けて曹操に降伏します。列侯に封じられた事実や、袁譚からの将軍の印綬に関するエピソードは史実を元にしています。

その後、呂曠は弟と共に曹仁の配下に入ることになり、荊州攻めに備えて樊城に駐屯します。しかし、ここで新野にいる劉備が軍備を整えているという情報が届けられます。これを重視した呂曠は、曹仁に懇願し、弟と共に5千の兵を率いて劉備の軍に襲いかかります。

しかし、戦は思わぬ結末を迎えます。呂曠は趙雲に討ち取られ、間もなく弟の呂翔も張飛によって倒されてしまいます。このように、呂曠の人生もまた、戦と謀略に彩られた短いものでした。

参考文献

呂曠に関する詳細は以下の文献で確認できます。

• - 『後漢書』列伝64下付・袁譚伝
• - 『三国志』魏書1武帝紀
• - 同魏書6付・袁譚袁尚伝
• - 『三国演義』

呂曠の物語は、彼の生きた時代を象徴する数多の出来事の一部であり、後漢末の混乱と戦の激しさを物語っています。彼の生涯とその影響は、当時の武将たちの中でも特に印象的なものとして、歴史に刻まれています。

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