呉文俊

呉文俊（ご ぶんしゅん）

中国の著名な数学者、呉文俊は、1919年5月12日に上海に生まれ、2017年5月7日に97歳で亡くなりました。祖籍は浙江省嘉興県ですが、上海で育ちました。代数幾何学などの分野で独創的な研究を行い、中国科学院院士として、中国の数学研究の発展に多大な貢献をしました。

生涯とキャリア

呉文俊は1936年に上海交通大学数学系に入学し、数学の道を歩み始めました。1940年に卒業後、1945年までいくつかの学校で教員を務めました。1946年には上海臨時大学で助手を務めた後、同年8月に中央研究院数学研究所の助研究員となります。さらなる研究のため、1947年にフランスのストラスブール大学へ留学し、1949年に博士号を取得して帰国しました。

1951年の帰国後、北京大学数学系の教授に就任しました。1952年10月には中国科学院数学研究所の研究員に移り、以降、1980年に系統科学研究所、1998年に数学与系統科学研究院へと移籍しながら、中国科学院を拠点に研究を続けました。1979年に中国共産党に入党しています。

数学界での貢献

呉文俊は、研究者としてだけでなく、中国および世界の数学界で指導的な役割を果たしました。1985年には中国数学会理事長として中国国内の数学振興に尽力しました。1992年には中国科学院数理学部主任を務めました。特筆すべきは、2002年に北京で開催された国際数学者会議（ICM）の主席に選ばれたことです。これは世界の数学界における彼の高い評価を示すものです。

主な栄誉と受賞

呉文俊の功績は多くの栄誉によって称えられています。1957年には中国科学院院士に選出されました。受賞歴には、1956年の国家自然科学賞一等賞や1979年の中国科学院自然科学一等賞があります。国際的な賞としては、1990年の第三世界科学院数学賞、1993年の陳嘉庚数理科学賞、1994年の香港求是科学技術基金会傑出科学者賞などがあります。最も重要な受賞は、中国科学技術分野最高の栄誉である2000年の国家最高科学技術賞と、2006年の権威ある邵逸夫数学賞です。

彼の父は呉国福氏でした。

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