呉普

呉普（ご ふ）

呉普（拼音: Wú Pǔ、生没年未詳）は、後漢末期から三国時代にかけての医師であり、徐州広陵郡の出身です。

略歴

呉普は名医として知られる華佗の弟子の一人でした。彼は華佗の教えに従い、様々な治療法を実践することで、多くの患者を治癒したと伝えられています。

華佗は呉普に対し、人体の健康維持について以下のように説きました。「人体は適度な運動を必要とする。常に体を動かすことで、食物の消化を助け、血行を促進し、病気を予防することができる。それはまるで、蝶番が門の開閉によって朽ちないのと同じである。」

さらに華佗は、古代の仙人たちが実践していた導引術を参考に、五種類の動物の動きを模倣した「五禽戯」という体操を呉普に教えました。五禽戯は、体内の不調を取り除き、足腰を強化し、体を柔軟にする効果があるとされました。呉普が華佗の教えを守り、五禽戯を実践した結果、90歳を超えても聴覚や視覚が衰えず、歯も丈夫であったと伝えられています。

呉普は『呉普本草』という著作を残しました。この書物の成立時期は239年頃とする説があり、梁代の阮孝緒『七録』や陶弘景『本草経集注』にその名が見られます。残念ながら、『呉普本草』は北宋時代にはすでに散逸してしまいましたが、『太平御覧』にその内容の約3分の2が引用されており、その一部を知ることができます。

参考文献

『三国志』巻29 華佗伝
『後漢書』巻82下 華佗伝
* 中川一彦、李正派「障害者レクリエーションの成立史に関する一考察--Avedonの『三国志』引用について」『体育科学系紀要』第12号、1989年、59-64頁。

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