呉良

呉良（ご りょう、1323年 - 1381年）は、中国・元末から明初の時代にかけて活躍した武将です。初めは国興という名でしたが、後に良という名を授かりました。安徽省定遠県出身で、弟の呉禎と共に朱元璋に仕え、明朝の建国に大きく貢献しました。

生涯

1353年、定遠攻略戦に24将の一人として参加し、その勇猛さを示しました。その後も、1355年には太平、溧水、溧陽、集慶を攻略するなど、各地の戦いで功績を重ねました。1356年には、徐達の指揮下で鎮江、常州、丹陽を攻略し、1357年には趙継祖と共に江陰を攻略しました。

1359年、呉良は弟の呉禎と共に江陰の守備を任されました。当時、朱元璋は陳友諒との戦いに注力しており、江陰は張士誠からの攻撃を防ぐための重要な拠点でした。呉良は防御を固め、優れた指揮によって張士誠軍の度重なる攻撃を防ぎ、その功績により枢密院判官に任じられました。張士誠の将である蘇同が江陰に攻めてきた際、呉禎は北門から、王子明は南門から出撃し、挟撃によって敵を大破させました。さらに、張士誠軍が常州を攻めた際には、呉良は間道を利用して無錫で敵軍を壊滅させるという活躍を見せました。

泰州を攻略した後、1366年には張士誠が再び鎮江に侵攻しました。この時、朱元璋自ら軍を率いて張士誠討伐に向かい、呉良は朱元璋軍と挟撃して、逃走する張士誠軍から2千人の捕虜を得るという大勝利を収めました。この功績により、昭勇大将軍・蘇州衛指揮使に任じられ、蘇州に移り、後に全州に移りました。1370年には江陰侯に封じられ、1千5百石の食禄を与えられました。

1371年には靖州と綏寧の平定に派遣され、1372年には鄧愈の指揮下で辰州、澧州の諸蛮の反乱を鎮圧しました。1379年には青州に封じられましたが、1381年に青州で58歳で亡くなりました。死後、江国公を追贈され、襄烈と諡されました。また、弟の呉禎と共に功臣廟に肖像が奉られました。

人物

呉良は雄偉剛直な性格で、情け深く、節約を心がけていました。城楼に泊まる際には、常に武器を枕元に置いていました。また、将兵の訓練を怠らず、常に敵が攻めてくる時のことを考えていました。平時には儒生を招いて経史を学び、新しい学校を建てて教育の普及に尽力しました。弟の呉禎と共に間諜活動も行っていました。

朱元璋は、呉良が張士誠軍を挟撃して敗走させた後、「呉起のようだ」と称賛しました。また、呉良が張士誠を抑え、東方を安定させた功績を高く評価し、宋濂に呉良を称える詩文を作るよう命じました。

関連項目

明・清王朝の皇帝墓群には、世界遺産として呉良と呉禎兄弟の墓が登録されています。

参考文献

『明史』巻1 本紀第1 太祖1
『明史』巻130 列伝第18

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