呉頌皋

呉 頌皋（ご しょうこう）

呉頌皋（1898年 - 1953年）は、近代中国における著名な政治家かつ法学者であり、その生涯は政治の変遷と深く結びついています。南京国民政府の要職にあったことから、彼の影響力は中国の外交政策や法律において重要な役割を果たしました。

学歴と初期の経歴

呉は上海の復旦大学を卒業した後、フランスへ留学し、パリ大学法学部で学びました。彼の学問への情熱は、イギリスに移った後も続き、ロンドン大学で研究員として活動しました。帰国後は、再び教育の場へ戻り、復旦大学法学院の院長や国立中央大学法学院の副教授、さらには国立中央政治学校外交系の教授として教鞭を執りました。

政治への道

呉は1932年に国民政府の行政院参事として政治活動を開始しました。その後、外交部への異動を経て、外交部国際司司長や中央政治会議の外交組秘書に任命されました。彼の政治的キャリアは、雑誌『外交評論』の編集長や中国政治学会の幹事としても展開されました。

1935年には、汪兆銘の下で中国国民党中央執行委員会の委員や中央政治会議の秘書に選ばれ、その後も重要な政務に従事しました。1942年には南京国民政府の外交専門委員会の主任委員兼司法行政部次長に就任しました。

短期ながらも多忙な市政

1944年、呉は上海市政府の秘書長に任命され、その後も上海市保甲委員会の委員長や司法行政部の部長として働きました。ここでの活動は、反外占領や治外法権問題など、当時の重要な課題に取り組むことが求められました。

戦後の運命

日本の敗北直後の1945年、呉は南京で逮捕される運命を迎えました。この時、南京国民政府の税警団に捕らえられましたが、支那派遣軍の総参謀副長である今井武夫の説得により釈放されました。しかし、後に蔣介石の指導する国民政府により漢奸として再逮捕され、裁判で無期懲役を言い渡されました。

中華人民共和国が成立した後も彼の収監は続き、1953年に獄中で亡くなるという悲劇的な終焉を遂げました。享年は56歳でした。彼の著作には『治外法権』や『欧州外交史』があり、彼の知見は今も研究者や学生にとって貴重な資料とされています。

参考文献

• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。
• - 劉傑『漢奸裁判 対日協力者を襲った運命』中央公論新社（中公新書）、2000年。
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。
• - 『上海監獄志』（上海地方志弁公室ホームページ）

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