江住駅

江住駅：紀勢本線沿いの歴史と自然が織りなす小さな駅

江住駅は、和歌山県西牟婁郡すさみ町江住に位置する、JR西日本紀勢本線（きのくに線）の駅です。1933年（昭和8年）9月、紀勢西線の延伸に伴い周参見駅から江住駅までが開通した際に、終着駅として開業しました。その後、1940年（昭和15年）8月には串本駅まで延伸され、途中駅となります。1959年（昭和34年）7月には紀勢本線が全通、亀山駅と和歌山駅（現在の紀和駅）を結ぶ路線の一部となり、現在に至っています。

開業から現在までの歴史

開業以来、江住駅は地域の重要な交通結節点として機能してきました。昭和初期の開業から国鉄分割民営化を経てJR西日本の駅となり、時代の流れとともに変化を遂げてきました。

1933年（昭和8年）9月: 紀勢西線の周参見駅から江住駅までの延伸開通に伴い、終着駅として開業
1940年（昭和15年）8月: 紀勢西線の江住駅から串本駅までの延伸開通により、途中駅となる
1959年（昭和34年）7月: 紀勢本線全通により、亀山駅と和歌山駅（現在の紀和駅）間を結ぶ紀勢本線の一部となる
1971年（昭和46年）7月: 貨物取り扱い廃止
1978年（昭和53年）4月: 荷物扱い廃止
1985年（昭和60年）3月: 無人駅化
1987年（昭和62年）4月: 国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道（JR西日本）の駅となる
2021年（令和3年）3月: ICOCA利用開始

駅舎と周辺環境

江住駅は、島式ホーム1面2線の地上駅で、列車同士の行き違いが可能です。古風な木造駅舎と出札口が残されており、駅舎内には地元住民による俳句などが飾られ、温かみのある空間となっています。無人駅のため、自動券売機や乗車駅証明書発行機は設置されていませんが、2021年3月からICOCAが利用可能になりました。トイレは駅舎内にはありませんが、駅周辺に公衆トイレが設置されています。

駅周辺は、海岸線に山が迫る地形の中に、江住川によって削られたわずかな平地にあります。江住の集落の端部に位置し、駅前に民家や喫茶店などが数軒あります。駅前から北東方面に進むと集落の中心部へ、見老津方面へ進むと国道42号線に出ることができます。国道からは枯木灘の美しい海景を望むことができ、紀勢本線の車窓風景の名所として知られています。

アクセスと観光

江住駅から徒歩圏内には、国の天然記念物に指定されている江須崎があります。暖地性植物群落が豊かな江須崎は、遊歩道も整備されており、散策を楽しむことができます。その他、すさみ町立エビとカニの水族館や道の駅すさみも徒歩圏内にあります。

バス路線については、かつては明光バスや熊野交通（現在の熊野御坊南海バス）が運行していましたが、現在は廃止され、すさみ町住民バスや串本町コミュニティバスが一部を代替運行しています。

隣の駅

和深駅
見老津駅

江住駅は、歴史と自然豊かな土地に佇む、小さなながらも魅力的な駅です。紀勢本線沿いを旅する際には、ぜひ一度訪れてみてください。

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