和駅

和駅（やわらえき）とは

和駅は、かつて北海道雨竜郡北竜町和に存在した、日本国有鉄道（国鉄）札沼線の駅です。この駅は、札沼線の歴史の中で、その役割を終え、現在は廃駅となっています。事務管理コードは▲120211でした。

歴史

和駅は、1931年（昭和6年）10月10日に札沼北線の一部として開業しました。当時は一般駅として、地域の人々の足として、また物資の輸送を担っていました。

しかし、1944年（昭和19年）7月21日、太平洋戦争の激化に伴い、不要不急線として石狩追分 - 石狩沼田間が休止となり、和駅もその活動を一時的に停止しました。戦争終結後、1956年（昭和31年）11月16日に雨竜 - 石狩沼田間が復活し、和駅も再びその役割を果たすことになりました。札沼線が全線復旧したことで、駅周辺は再び活気を取り戻しました。

しかし、1972年（昭和47年）6月19日、札沼線の新十津川 - 石狩沼田間が廃止されることになり、和駅もその歴史に幕を閉じました。

駅名の由来

和駅の駅名の由来は、この地が元々アイヌ語で「エタイエペッ」と呼ばれていたことにあります。この言葉は後に「エタイエベツ」となり、現在の恵岱別川の河川名としてその名残を留めています。駅名に使われた「和」の文字は、この地に入植した千葉県出身の吉植庄一郎らが、故郷の「埜原（やわら）」から音を借りて名付けられました。

「埜原」ではなく「和」の字が用いられた理由には、この地に永遠の平和を願う意味や、住民の一致団結を願う意味が込められていると言われています。

駅構造

和駅の駅舎は、桑園駅方面に向かって右手の西側に位置していました。休止前の初期の構内は、駅舎前に単式ホーム1面1線と副本線があり、副本線から札幌方面に車庫線が分岐していました。また、駅舎横の石狩沼田側には貨物ホームへ引込線がありました。休止と再開を経て、駅構内は大きく変化しました。

休止再開後の構内は、駅の裏側が石狩沼田側にずれた千鳥状の相対式ホーム2面2線となり、駅舎とホームの間には構内踏切が設けられました。駅舎横の石狩沼田側には貨物ホームがあり、札幌側の土場を利用した副本線の貨物積み降ろし線と合わせて、合計2面3線の構造となっていました。休止前にあった車庫や引込線の車庫線は、再開後は姿を消しました。

札沼線の部分廃止直前には、浦臼駅と石狩沼田駅の間では1日5往復まで列車本数が削減されていましたが、和駅は、この区間で唯一列車交換が行われていた駅でした。これは、列車の運行を維持する上で重要な役割を果たしていたことを示しています。

廃駅跡

和駅の跡地は、現在ではその姿を変えています。かつては北竜紳装が真竜小学校の旧体育館を移築し、紳士服の縫製工場として利用していましたが、その後、建物の一部は解体され、現在は建築会社の施設として利用されています。鉄道駅としての面影はほとんど残っていませんが、その歴史は地域の人々の記憶に刻まれています。

隣の駅

和駅は、札沼線において、渭ノ津駅と中ノ岱駅の間に位置していました。これらの駅と共に、かつては地域を結ぶ重要な交通手段としての役割を担っていました。

関連項目

赤字83線

外部リンク

国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス
1963年撮影航空写真：MHO631X-C5-7　写真左上隅に当駅が確認できます。

和駅は、その短い歴史の中で、地域の発展と人々の生活を支え、そして静かにその役目を終えた駅です。

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