哀公 (魯)

哀公（あいこう）

哀公は、魯の第27代君主で、名は将です。彼は魯の第26代君主である定公の子として誕生しました。哀公が即位したのは、哀公元年（前494年）のことで、これは彼の父の定公が亡くなったことによります。

経歴

哀公の治世は、数多くの軍事的な出来事に彩られています。即位から8年目の前487年、隣国呉に攻め込まれましたが、哀公は奮戦し最終的には和解に至ることができました。続いて、彼は斉にも攻め込まれることになりますが、この時は敗北を喫してしまいます。

しかし、前485年に再度斉に攻め込み、見事な勝利を収めます。その翌年には、再び斉からの攻撃を受けますが、それに対抗することになります。前483年には、当時の斉の君主である簡公を討伐するための進軍を、儒学者の孔子に勧められましたが、実現には至りませんでした。この時期、孔子は魯の曲阜に住む学者として、その知恵を持って哀公と関わりを持っていました。

哀公14年の前481年、斉の簡公が宰相の田恒によって弑殺される事件が発生します。これにより孔子は再び哀公に対して斉への進軍を勧めるものの、哀公はその提案を拒否しています。その後、前471年には、晋と共に斉へと進軍する指揮官として出陣しています。

哀公27年の前468年、彼は魯の桓公の子孫たちである三桓氏に対して武力討伐を試みるものの、三桓氏の強大な軍事力に屈してしまいます。この結果、衛や鄒を経て越に逃れることになります。哀公は悼公元年（前467年）にその地で生涯を閉じました。

孔子との関係

哀公の治世は孔子の晩年と重なり、孔子の弟子たちによって編纂された『論語』の中に、哀公との対話が多く記録されています。この文献によって、彼の思想や治世の様子が後世に伝えられることになりました。特に、孔子が編纂したとされる歴史書『春秋』は、哀公14年（前481年）の「麒麟を得た」という記事でその内容が終了しており、この「獲麟」という表現はその後、物事の終わりや絶筆を示す言葉として使われるようになります。

関連項目

• - 魯
• - 三桓氏

以上のように、哀公の治世は多くの戦争と孔子との関係によって形作られ、彼の遺した影響は現代に至るまで残ることとなりました。彼の人生は、戦乱の時代の中での政権と哲学との交錯を象徴するものとなっています。

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