品位 (位階)

品位（ほんい）とは

「品位」とは、日本の律令制度に則った親王や内親王の位階を指します。この制度は奈良時代から江戸時代まで存在し、特にその形態や内容は歴史的に重要です。

歴史背景

「品位」の概念は、古代中国の王朝に由来しており、特に九品制と呼ばれる九つの位階分類から影響を受けています。中国では位階は一品から九品までに分類され、この中で正位と従位という二つのカテゴリーが設けられていました。この位階制度は朝鮮半島の歴代王朝でも広く使われ、特に新羅以降は骨品制などの独自の位階制度が発展しました。これらの影響を受けて、日本でも「品位」という制度が確立されることになりました。

日本における品位の制度

日本における「品位」は、701年に成立した大宝令の官位令に初めて記載されたと考えられています。この際、臣下の位は「位」という名称で分類される一方で、親王や内親王の位階には「品」という特規が用いられました。

品位は一品から四品の4つの等級に分かれ、正位や従位とは異なる独特のシステムを持っていました。例えば、品位が与えられていない親王は「無品」と呼ばれ、その位階は公式には存在しませんでした。

また、諸王は臣下と同じ位階体系に従い、正一位から従五位のいずれかに叙せられることがありました。

品位を授与された親王は、その品位に応じて「品田」と呼ばれる土地が支給され、さらに「品封」と呼ばれる封戸も与えられていました。

明治以降の変化

明治時代に入ると、日本の皇室制度に大きな変革が訪れます。この時期に親王の品位および諸王の位階は廃止され、以降は皇族に対して勲等や功級といった新たなシステムが導入されることとなりました。この変更により、伝統的な品位に基づく位階制度は姿を消し、近代的な社会制度が育まれていくことになります。

最後に

品位は古代日本において非常に重要な社会的地位を反映した制度であり、位階制度の一環として歴史的にも貴重なものです。日本の律令制の形態を理解するためには、この品位制度を知ることが欠かせません。

もう一度検索