員弁川

員弁川についての概要

員弁川（いなべがわ）は、三重県北東部に位置する、二級水系の主要な河川です。本川は鈴鹿山脈の御池岳を源流とし、山々を縫うように南東に流れながら、広大な台地を樹枝状に網羅していきます。それに伴い、木曽三川と並行して流れ、最終的に伊勢湾へと注ぎ込みます。

地理と歴史

員弁川の流域には、支流である相場川が含まれており、この川には灌漑目的のダムが設置されています。員弁川からの水は、取水工を通じて年平均190万m³が相場川の中里ダムを経由し、三重用水として利用されていることが特徴です。

河口近くの桑名市在良地域から下流の部分は、一般に「町屋川」と呼ばれています。これは、この地域で過去にのぼり坂がある旧東海道があったため、その名残が今も残っているからだとされています。この場所は、近鉄名古屋線の益生駅周辺に位置しており、町中をこの川が流れていました。

大正時代になると、北勢鉄道（現在は三岐鉄道北勢線）も開通しました。この鉄道の目的の一つは、員弁川で採取した砂利などの資源を運ぶことでした。このように員弁川は、地元の交通や経済においても重要な役割を果たしてきました。

生態系と文化

美しい自然環境を有するこの川には、さまざまな生物が生息しています。ネコギギが生息するほか、鮎やアマゴなども放流され、川釣りが盛んに行われています。釣りを楽しむ方々は、桑員河川漁業協同組合から遊漁証を取得することで釣りを楽しむことができます。

特に朝日町では、員弁川から採れるボラを使ったボラ飯が名物で、この地の食文化を支えています。また、東員町の北大社と南大社の間にかかる大社橋の下では、猪名部神社にて春に行われる大社祭が催されます。この祭りでは、地域の青年団が川で身を清める儀式が行われ、地域の伝統が受け継がれています。

流域の自治体

員弁川の流域には、いなべ市、員弁郡の東員町、桑名市、三重郡の朝日町及び川越町があります。これらの地域は、員弁川を中心に発展してきたことから、自然環境や文化的背景を大切にしています。

交通の便

員弁川は、地域の交通の要所ともなっており、三岐鉄道三岐線や北勢線が並行して走っています。また、国道306号、365号、421号、三重県道3号桑名大安線や5号北勢多度線といった mehreren 道路も近接しており、アクセスが便利です。

員弁川はその豊かな自然環境と生態系、文化的な価値を有する河川として、地域住民や訪れた人々に愛され続けています。これらの特色を大切にし、未来に継承していくことが求められるでしょう。

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