哥老会

哥老会（かろうかい、ピンイン：Gēlǎohuì）は、清朝の乾隆年間以降に活動した中国の反体制的な秘密結社です。白蓮教や天地会などの影響を受け、18世紀に四川省で誕生しました。その起源は、清朝成立後に職を失った元義勇軍、特に湘軍の軍人たちが多かったとされています。

組織の発展と活動

哥老会は、農民の互助自衛組織として発展し、湖南省、湖北省を中心に長江上流域に勢力を拡大しました。彼らは「反清復明（はんしんふくみん）」、つまり清朝を倒して明朝を再興することを目標に掲げ、活動を展開しました。主に農村を基盤とし、流民や無産者を組織化し、地主や地方の有力者、知識人などを指導者としていました。最盛期には全国で数万人の勢力があったとされています。

武装蜂起

1892年には、湖南省の武功山を本拠とする哥老会が、約3000名の軍事力を擁して蜂起しました。彼らは江西省湘東瀘渓の官庁や安福県の市街を占拠し、首謀者は「平南王」を名乗り、「洪北元年」という元号を発布する声明を出しました。しかし、進軍先の袁州などは防衛され、最終的には湖南省軍に包囲され、約80名の死者を出し鎮圧されました。

革命運動との関わり

1903年には、華興会の蜂起を軍事的に支援しました。清朝末期には、孫文らの革命派と結びつき、1911年に勃発した辛亥革命で重要な役割を果たしました。しかし、中華民国が成立した後、哥老会は反革命的な性格を強めていきました。

青幇との比較

同時代の秘密結社である青幇（チンパン）に対して、哥老会は紅幇（ホンパン）とも呼ばれました。

関連人物

哥老会に関連する人物として、以下の名前が挙げられます。

龔春台
賀竜
馬福益

日本との関わり

特筆すべき点として、日本人の僧侶である釈元恭が哥老会と関わりがあったとされています。彼は中国からインド、イギリスへ渡り、フランスで文学博士、オランダで哲学博士、アメリカのイリノイ大学で法学博士を取得するなど、高度な学識を有していました。その釈元恭が哥老会に抜擢され、一大勢力を持って活動していたと言われています。

関連事項

哥老会と関連する事項として、以下のものがあります。

会党
華興会
黄興
白蓮会
三合会

参考文献

国枝史郎「支那の秘密結社」『雑草一束』青空文庫、1927年。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000255/files/47252_58843.html
河合卯之助『大陸的日本人釈元恭師実歴』文港堂、1907年。
https://dl.ndl.go.jp/pid/823354/1/10?keyword=哥老会
* 大蔵省印刷局「官報」『官報』明治25年10月22日、大蔵省印刷局、1892年、236頁。

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