唐彬

唐彬の生涯と功績

概要

唐彬（とう ひん、235年 - 294年）は、中国の三国時代から西晋時代にかけて活躍した政治家および武将であり、魏と西晋に仕官しました。彼の字は儒宗で、豫州魯国鄒県に生まれました。唐彬は父親が泰山太守であり、若い頃から優れた才能を発揮し、数々の功績を上げたことから、歴史的に重要な人物として位置づけられています。彼は、呉平定に貢献し、北方の安定にも寄与しました。『晋書』にその業績が記録されています。

幼少期からの成長

唐彬は幼少の頃から抜群の才能を持ち、小事にこだわらない心の広さが特徴でした。弓馬の技術を駆使し、狩猟を好み、疾走力に優れたことで知られています。その身長は八尺（約192.8cm）で、彼の力強さは並外れていたと伝えられています。成長するにつれ、彼は閻徳のもとで経史を学び、特に易経において深い理解を示し、数百人の弟子を抱えるまでに至りました。閻徳は彼の才覚に着目し、将来の政治の指導者として期待を寄せていました。

唐彬は初め郡の門下掾からキャリアをスタートし、後に主簿として務め、さらには猪軍の問題について議論するために九郡の官吏を招集する際に選ばれ、その際、彼が主戦論を展開したことが評価されました。特に、懐疑的だった王沈を納得させる力があったとされています。彼は公正で厳粛な態度で職務を全うし、他者に過失があった場合には陰で支援する姿勢を心掛けました。このような誠実さが、彼の信頼を集めました。

中央政府への仕官

唐彬は徐々に中央政府のキーパーソンとなり、彼の名前は州の使者を介して司馬昭の耳に入り、官職への昇進が果たされました。彼の才能を妬む者もいましたが、才能を認める者たちのサポートもあり、彼は様々な役職を歴任していきました。特に、彼が岡井への派遣を命じられた際には、彼が注目されたことで、政府高官にその能力を認められることとなります。

当時の混乱した状況下で、唐彬は成都での視察を終えた後、司馬昭に重要な報告を行い、彼の公式報告により内外の情勢を把握することができました。これにより、彼の認識とは異なり、鄧艾がいかに無能であったかを明らかにしました。

呉への征伐

唐彬はしばらくして尚書水部郎に任命され、265年には関内侯に封じられるなど、その地位が確固たるものであることを示しました。彼は益州の県令として地域を治め、道徳を遵守した政令を行い、住民への教化に努めました。さらに、呉との地政学的な接近の中、軍事的な役割も担うこととなり、監軍に任命されました。これにより唐彬は呉征伐の戦に赴くことになります。

279年11月、彼は王濬と共に呉征伐に出陣し、先鋒として要所を押さえました。唐彬は自らの策略に従い、敵を撃破し、投降者を増やし、国家の安定に寄与しました。彼の功績は、戦功を巡る争いから距離を置くことで評価され、後世に称賛されることとなりました。

北方の安定

戦後、唐彬は北方の少数民族問題に取り組むこととなりました。彼は軍を編成し、内政を安定させるための政策を実施し、民族間の外交を行いました。北方の民族においても彼の指導は尊敬され、国境の整備を進め、山や谷を利用した防衛体制を構築し、国家の安寧を保ちました。

晩年と子孫

291年頃、唐彬は最高位の官職に昇進しますが、294年に他界しました。享年60歳。彼の子は二人おり、長男は上庸県侯に、次男の唐岐は征虜将軍に任命されました。唐彬の偉大な功績は後世にまで語り継がることとなります。彼の死後も、彼に対する感謝と尊敬の意が表され、いくつもの碑が建てられました。

参考文献

『晋書』巻42 列伝第12

もう一度検索