営団2000形電車

営団2000形電車とその歴史

営団2000形電車は、1959年から1963年の間に帝都高速度交通営団によって生産された通勤型電車です。この電車は銀座線の標準型として位置づけられており、104両が製造されました。その中には、特に試作車とされる両運転台構造の営団1900形電車も含まれています。

1900形電車の概要

1900形は、1958年に初めて製造された銀座線のカルダン駆動車であり、帝國車輛工業によって設計されました。この車両は1800形と基本的に同じ設計がされていますが、丸ノ内線の300形と同じWN駆動方式を採用しています。しかし、加速性能やブレーキ方式は従来の吊り掛け車両に合わせていたため、主電動機の出力は55kW×4と十分ではありませんでした。

1900形は両運転台構造を持つ珍しい電車で、製造されたのはわずか2両（1927・1928）です。この形は銀座線での最後の両運転台構造の車両となり、1987年に廃車にされるまで運用されました。

2000形電車の特徴

営団2000形電車は、銀座線用として設計され、最初に登場したのは2031号から2040号までの10両です。この電車の特徴は片運転台構造で、編成の両端には奇数番号が渋谷駅側、偶数番号が浅草駅側という規定がありました。2000形は1900形のWN駆動方式を受け継いでいますが、当時の高性能車は01系から始まりました。

この電車は主に自動空気ブレーキを搭載し、運行中に瞬間的に停電が発生する運転方式を取っていました。また、台車は初期の2029-2042号がコイルばねを用いたFS323形で、以降のモデルは空気ばねを取り入れたFS331形となっています。

車両の仕様と改良

営団2000形電車は、網棚やスタンションを全ての座席に設置した初めての車両でした。その一方で、前照灯は1965年頃からシールドビームに変更され、1986年には灯具の一部が蛍光灯化されました。これに加え、車両の内装にもいくつかの変更が加えられ、運転室の戸は引戸式にするなど、車両の近代化が進められました。

運用の変遷

2000形電車の運用は1968年から本格化し、標準的な編成は2000形を両端に配置し、1500N形や付随車と組み合わせたものが一般でした。1983年に01系が導入されると、2000形の数も減少し、1986年には廃車が開始されました。1993年には運車のさよなら運転も行われ、その後方南町支線用に移籍した車両が存在します。

譲渡とその後

銀座線から退役した一部の2000形電車は京王重機整備により改軌やパンタグラフ取り付けが行われ、日立電鉄や銚子電気鉄道に譲渡されました。日立電鉄では2005年まで使用されたことが記録されていますが、銚子電気鉄道ではデハ1000形としてその後も運用されました。

このように、営団2000形電車は銀座線における通勤輸送の重要な役割を果たし、鉄道の歴史の中で特異な車両として位置づけられています。

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