噂の女 (1954年の映画)

映画『噂の女』について

『噂の女』は、1954年に公開された日本のドラマ映画です。監督は溝口健二、脚本は依田義賢と成沢昌茂が務めました。製作は大映で、モノクロ作品、上映時間は1時間24分となっています。

あらすじ

舞台は京都の島原。主人公は、置屋「井筒屋」を女手一つで切り盛りする女将、馬淵初子です。彼女は、亡くなった夫の跡を継ぎ、苦労しながらも店を支えています。初子には娘の雪子がいますが、雪子は婚約寸前で自殺を図り、京都に戻ってきます。そんな中、初子は青年医師の的場謙三に密かに想いを寄せています。物語は、この三人を軸に、それぞれの複雑な感情と人間関係が描かれていきます。

キャスト

馬淵初子: 田中絹代
島原で置屋「井筒屋」を経営する女将。
馬淵雪子: 久我美子
初子の娘。婚約破棄で自殺を図り帰郷。
的場謙三: 大谷友右衛門 (中村雀右衛門 (4代目))
初子が想いを寄せる医師。
原田安市: 進藤英太郎
小林: 見明凡太郎
お咲: 浪花千栄子
川本: 田中春男
山田: 十朱久雄
相生太夫: 阿井美千子
尾上太夫: 大美輝子(近江輝子)
玉琴太夫: 若杉曜子
薄雲太夫: 橘公子
美車太夫: 小柳圭子
千代: 峰幸子
竹下: 上田寛
中内: 伊達三郎
呉服屋: 石原須磨男
お兼: 小松みどり
お春: 小林加奈枝

スタッフ

監督: 溝口健二
脚本: 依田義賢、成沢昌茂
撮影: 宮川一夫
音楽: 黛敏郎
照明: 岡本健一
録音: 大谷巌
美術: 水谷浩
扮装: 上野芳生
能狂言指導: 小寺金七
能狂言師: 茂山忠三郎

作品の特徴

『噂の女』は、溝口健二監督の作品の中でも、女性の心理描写に焦点を当てた作品として知られています。置屋という特殊な環境で生きる女性たちの苦悩や、複雑な人間関係を、繊細かつ力強く描いています。田中絹代演じる初子の内面の葛藤や、久我美子演じる雪子の繊細な感情表現が見どころです。

また、モノクロ映像が、登場人物たちの心情をより深く表現しており、見る者に強い印象を与えます。黛敏郎による音楽も、作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっています。

外部リンク

* The Woman in the Rumor - IMDb（英語）

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