四堺

四堺（しさかい）とは

四堺とは、平安京のある山城国に位置する4つの重要な地点、大枝、山崎、逢坂、和邇を指します。これらの地名は、平安京に対する外部からの穢れの侵入経路と考えられており、特に神道や陰陽道の影響を受けて、その重要性が高まっていきました。

四堺の地点

大枝

大枝は、現在の京都府亀岡市にある老ノ坂峠にあたります。ここは山陰道の入り口としても知られ、丹波国との境界に位置しています。かつては重要な通路であり、周囲から平安京へのアクセスが容易なため、穢れが侵入する可能性のある場所とされていました。

山崎

山崎は京都府大山崎町および大阪府島本町にまたがる地点です。ここは山陽道への入り口でもあり、外洋への接点として機能していました。摂津国との国境に位置することから、特に重要視されていました。周辺地域からの影響が強かったため、穢れの意識が高まりました。

逢坂

逢坂は滋賀県大津市の逢坂山にあたります。この場所は逢坂関としても広く知られており、東海道および東山道への接続点です。近江国との国境に当たるため、同じく穢れの観念が強調されました。特に平安時代中期以降は、神道や陰陽道の影響で、穢れを払うための儀式が行われるようになりました。

和邇

和邇は滋賀県大津市の和邇に位置し、北国街道への入り口として知られています。この地も近江国との境界にあたり、穢れの侵入に対する警戒が必要と考えられていました。そのため、四堺は物理的にも精神的にも重要視されていました。

四堺祭と社会

穢れを外部へ追いやるため、四堺祭が執り行われました。この祭りは、四つの地点それぞれで行われ、穢れを祓う儀式により平安京の安全を願ったとされています。平安時代以降、神道や陰陽道の影響により、穢れに対する意識はより強まりました。

さらに、当時の社会では、非人や障害者といった人々が、穢れを持つ存在として隔離されることもありました。山崎には非人宿があったとも言われ、障害者が周囲とは隔絶された生活を余儀なくされていたのです。こうした人々は、外部からの穢れを引き寄せるものとして恐れられ、隔離された地域で生活していました。

盗賊と妖怪

また、四堺は盗賊や罪人、さらには鬼や妖怪の住処としても考えられており、人々に恐怖を与えていました。特に大枝とその周辺には、酒呑童子とされる鬼が住んでいたとの伝承があります。逢坂には盲目の人物、蝉丸とも言われる憐れな存在が住んでいたという話もあります。

これらの物語は、四堺がいかに恐れられ、また神秘的な存在として認識されていたのかを物語っています。平安時代において、四堺は自然や神々との深い結びつきがあり、人々の日常生活に影響を与えていた場所です。

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