四平陸軍戦車学校

四平陸軍戦車学校について

四平陸軍戦車学校は、満州の四平に置かれた大日本帝国陸軍の軍学校です。この学校は、機甲部隊の将兵を教育・訓練することを目的としていました。前身は公主嶺陸軍戦車学校であり、そこから発展して四平に移転し、改称されました。

設立と変遷

1939年8月1日に陸軍公主嶺学校が設立されたのが始まりです。その後、1940年9月15日に兵科が廃止され、同年12月2日に公主嶺陸軍戦車学校が創設されました。これは、陸軍公主嶺学校の戦車戦術教育部門と教導戦車隊を基幹としたものでした。1941年5月24日には陸軍機甲本部長の隷下に入り、軽機甲は陸軍騎兵学校、中・重戦車は千葉陸軍戦車学校、総合機甲は公主嶺陸軍戦車学校がそれぞれ教育を分担することになりました。

1941年12月1日には、学校の教導戦車連隊が戦車第24連隊に改編されましたが、教導業務は継続されました。1942年11月には四平街へ移転し、学校名も「四平陸軍戦車学校」と改称されました。1944年7月6日には動員が下令され、教育部や研究部の主力は戦車第30連隊の編成要員として本土へ転出しました。

1945年3月には、千葉陸軍戦車学校での本土決戦要員教育再開のため教官が転属しました。同年7月10日には、残留人員と機材が軍隊化され、独立戦車第9旅団に改編されましたが、同年7月26日に学校は閉鎖されました。

教育内容と組織

四平陸軍戦車学校では、総合機甲部隊の運用と射撃に関する教育研究が行われました。教育区分は以下の通りです。

甲種学生: 中隊長を養成
乙種学生: 射撃・操縦を訓練
丙種学生: 通信を教育
丁種学生: 初級将校を養成
戊種学生: 操縦・通信を教育
幹部候補生隊: 各期約200名
下士官候補者隊: 各期約200名

学校の組織は、本部、研究部、教育部、教導連隊（2コ中隊）、材料廠で構成されていました。

主要な人事

歴代校長には、富永恭次少将、星野利元少将、名倉栞少将、池田末男中佐、北武樹大佐が名を連ねています。
また、幹事には名倉栞少将が、教官には重見伊三雄大佐、当山弘道大佐、池田末男中佐が、研究主事には細見惟雄大佐が、教導戦車連隊長には玉田美郎大佐がいました。

学校所在地

公主嶺陸軍戦車学校は満州の公主嶺懐徳に、四平陸軍戦車学校は満州の四平街に所在していました。

著名な出身者

作家の司馬遼太郎が1944年4月から12月にかけて在籍していました。

参考文献

山崎重武ほか編集『四平（公主嶺）陸軍戦車学校史 - 満洲第五八三部隊』公四会事務局、1988年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
* 原剛・安岡昭男編『日本陸海軍事典コンパクト版（上）』新人物往来社、2003年。

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