四式基本練習機

四式基本練習機

四式基本練習機（よんしききほんれんしゅうき）は、第二次世界大戦の時期に日本陸軍によって運用された練習機です。この航空機は、ドイツ[[空軍]]の優れた練習機であるBü 131 ユングマンのライセンス生産によって造られました。日本の国際航空工業が製造を担当し、キ番号はキ86として知られています。また、連合軍によるコードネームは「Cypress」であり、一般的には「ユングマン」と呼ばれています。

開発の背景

1942年、陸軍は海軍と別に、ドイツのBü 131を日本で製造するためのライセンスを取得しました。この計画は、国際航空工業に指示され、同年の11月には国産化の作業が始まりました。1943年の7月に試作1号機が完成し、翌年の1944年4月には正式に「四式基本練習機」として制式化されました。海軍が採用した紅葉とは異なり、陸軍はこの機体を大規模に生産し、1943年度に260機、1944年度には763機、1945年度には7機と、合計1,030機が製造されました。

機体の特徴

この航空機は、Bü 131とほぼ同様の構造の双葉型複座機であり、取り扱いが比較的容易で、燃費が良いことが特徴です。また、低質の70オクタンガソリンを燃料として使用できるため、運用コストが抑えられる利点が存在しました。しかし、エンジンの点火栓が汚れやすく、その影響で時折エンジン不調に見舞われることがあり、馬力も不足していたため上昇力に欠ける問題もありました。

特に気筒が下向きになっているため、飛行中のエンジン不調時には背面飛行を行うことで復調する場合がありました。この機体は二人乗り仕様で、前方には教官または助教、後方に訓練生が配置されました。一方で、単独飛行時には操縦者が後方席に座り、エンジンとのバランスを保つ必要がありました。

訓練と性能

四式基本練習機は、離着陸が容易で空中特性も良好であり、訓練生は平均で約9時間半の飛行で単独飛行のスキルを習得できると言われています。従来の初等練習機に比べて、およそ5～6時間も短時間で済むことが特徴でした。また、最短で6時間半の同乗飛行で単独飛行が許可されることもありました。この機体は、陸軍航空士官学校においても活用され、1945年4月には満洲へ約500機が移動し、そこでの訓練が実施されました。

特殊型の試作

物資不足の影響により、全木製の四式基本練習機乙型（キ86乙）も試作されましたが、こちらは1機の試作と6機の増加試作に留まり、正式に制式化はされませんでした。

性能諸元

• - 全長：6.620 m
• - 全幅：7.347 m
• - 全高：2.25 m
• - 自重：401.3 kg
• - 正規重量：630.8 kg
• - エンジン：日立ハ47空冷式倒立型直列4気筒（公称100hp、離昇出力110hp）
• - 最大速度：180 km/h
• - 巡航速度：120 km/h
• - 航続距離：470km（正規）/ 600km（過荷）
• - 乗員：2名

関連項目

• - 九五式一型[[練習機]]
• - 九九式高等[[練習機]]
• - 二式高等[[練習機]]
• - 練習機の一覧

このように、四式基本練習機は日本の航空教育において重要な役割を果たしました。その性能と利便性から、多くの訓練生に利用され、軍用機パイロットの育成に寄与した機体と言えるでしょう。

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