四式防空気球

四式防空気球の概要

四式防空気球（よんしきぼうくうききゅう）は、大日本帝国海軍によって開発された無人の防空気球です。この気球は、第二次世界大戦中における防空用の技術として重要な役割を果たしました。
海軍は、イギリス軍が運用していた阻塞気球の情報をもとに、独自の防空気球の研究を進めました。特に、相模海軍工廠において、気球による防御の効果を確認するための実験が行われました。その結果、航空機による地上への銃撃や急降下爆撃を阻むことができることが実証されました。

実験は、日本の門司や下関といった都市や水路において行われ、航空母艦「鳳翔」を使用し艦船防御のための試験も行われました。この実験から得られた知見を基に、1944年から神奈川県などで学徒勤労動員によって気球の量産を開始し、1945年には合計460個の気球が生産されました。

設計と構造

四式防空気球の気嚢は球形をしており、球皮には和紙が使われています。特に、両面にコンニャク糊が機械塗布された和紙が使用されていました。しかし、手漉きの和紙は陸軍によって風船爆弾の原料として独占的に使用されていたため、量産には新しい製造法が考案されました。具体的には、日本紙業や高知製紙といった企業との協力により、機械漉きの和紙が開発されました。また、繋留索には絹の組紐が使用されています。

浮揚ガスには水素が用いられ、液体アンモニアを新たに開発した水素発生装置（一型と二型が存在）で分解して得る方法が採用されました。しかし、アンモニアを調達する際には困難が生じ、このことがその後の防空凧の開発を促進させる一因となりました。ガスは気嚢の下部に設けられた充填管から供給されました。

技術的な特性

四式防空気球の技術的な特性には、以下の情報が含まれます：

• - 気嚢直径: 2.6 m
• - 気嚢容積: 9.28 m³
• - 全重量: 約2.2 kg

これらの特性は、防空気球が実際の戦闘でどのように機能したのかを示しています。特にその軽量でありながらも、一定の防御効果を持っていたことは重要な意味を持ちます。

参考文献

四式防空気球に関する詳細は、「相模海軍工廠」においても詳述されています。この文献では、相模海軍工廠の活動や、様々な防空技術の開発に関する情報が得られます。

このように、四式防空気球は、大日本帝国海軍が取り組んだ防空技術の一環であり、第二次世界大戦においてその実力を証明しました。高い技術力と戦略的な運用が組み合わさって、結果的に当時の防空網の一部として貴重な役割を果たしました。

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