四所神社 (豊岡市)

四所神社：城崎温泉を見守る歴史と文化の宝庫

兵庫県豊岡市城崎温泉に鎮座する四所神社は、温泉街の象徴的な存在として、古くから地域の人々から厚い信仰を集めてきました。城崎温泉の外湯の一つである「御所の湯」の隣に位置し、アクセスも良好です。

ご祭神と由緒

主祭神は湯山主神で、多岐里比売神、田記津比売神、市杵比売神の宗像三女神を合わせて四神が祀られています。これらの神々は、温泉の守護神として、また宗像三女神は水の守護神としても崇敬されています。

神社の創建は和銅元年（708年）にまで遡ります。日生下権守という人物が神託を受け、四柱の神々を祀る社を建立したのが始まりと伝えられています。その後、養老元年（717年）には、道智という人物が神託を受け、「まんだら湯」を開湯したという歴史も持ちます。

以来、城崎温泉の守護神として崇められ、道智開基の温泉寺を別当寺として、長きにわたって深く関わってきました。明治の神仏分離令により明治3年（1870年）に温泉寺と分離、明治6年には村社に列格しました。

本殿裏からは「延命水」と呼ばれる名水が湧き出ており、これもまた神社の神秘性を高めています。

重要な祭事

四所神社では、年間を通して様々な祭事が行われています。

城崎温泉祭り (4月23日～24日): 城崎温泉の開祖である道智上人の開山忌を祈念する、温泉街にとって重要な祭りです。
城崎温泉夢広場 (7月23日～8月25日): 神社境内で、スーパーボールすくいなどの屋台やパフォーマンスショーなどのイベントが開催されます。期間中は、幻想的な夢花火も打ち上げられ、多くの人々を楽しませています。（8月10日～16日を除く）
城崎だんじり祭り（例祭） (10月14日～15日): 地域をあげて行われる盛大な祭りです。

社殿と文化財

現在の社殿は、大正14年（1925年）の北但馬地震で焼失したため、昭和3年（1928年）に再建されました。本殿は三間社流造、拝殿は入母屋造平屋建で、共に兵庫県の有形文化財に指定されています。昭和56年（1981年）には改修工事が行われ、大切に保存されています。

旧本殿は寛延4年（1751年）建立の総欅造りの壮麗な建物だったと伝えられています。

また、神社境内には、以下の文化財も存在します。

兵庫県指定登録有形文化財建造物: 本殿、拝殿（平成18年登録）
豊岡市指定文化財建造物: 弁天山宝篋印塔「越中次郎兵衛の墓」（南北朝時代建立）
豊岡市指定天然記念物: ヒメハルゼミの発生の地

アクセス

JR山陰本線城崎温泉駅から徒歩約15分と、アクセスも容易です。城崎温泉を訪れた際には、ぜひ立ち寄りたい場所です。

四所神社は、城崎温泉の歴史と文化を肌で感じることができる貴重な場所です。温泉街散策と合わせて、ぜひ訪れてみてください。

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