四職

四職について

四職（ししき）は室町時代において、特定の武家の家格を指す言葉で、その役割は非常に重要なものでした。この制度は、室町幕府における軍事的な召集や指揮、さらに京都市内の警察や徴税業務を統括する侍所の頭人として、赤松氏、一色氏、京極氏、山名氏の四家に交代で任じられました。これらの家は、主に源氏を本姓としており、四職の形成には特定の家格が大きく関連していました。

四職の制度は、応永5年（1398年）に室町幕府の第3代将軍、足利義満によって制定されました。当初、伊勢氏や上杉氏、さらに土岐氏を加えた「七頭」として位置づけられ、三管領家（細川氏、斯波氏、畠山氏）とともに幕府の中枢に影響を持ちました。四職の家々は多くの場合、山城守護を兼任し、京都の警察権の担い手としての役割も持つことが求められました。

時代が進む中、特に永享12年（1440年）以降は、さまざまな家が侍所頭人に就任しています。応仁元年（1467年）から文明9年（1477年）にかけての応仁の乱の際、四職の家々は西軍と東軍に分かれ、赤松政則と京極持清が東軍に、山名宗全と一色義直が西軍として戦いました。その後、文明3年（1471年）には赤松政則が再び侍所頭人に就任しましたが、明応2年（1493年）の明応の政変以降、幕府内部の争いと権力構造の変化により、四職は空席となり、自然消滅してしまいました。

子孫の行く末

四職の家々は、室町時代の力を失った後も、それぞれ別の歴史を辿りました。一色氏を除く三氏は、明治時代まで家を存続させ、華族として名を残しました。例えば、赤松氏は赤松則房の代に織田信長の家臣、羽柴秀吉に降伏しました。彼の子、則英は関ヶ原の戦いで西軍についたものの戦後に自害し、赤松氏の嫡流は滅亡しますが、分家は旗本として存続しました。

一色氏は一色義定の代に織田氏に降ったものの、本能寺の変で家族が討たれ、結果的に嫡流は滅んでしまいました。京極氏は、足利義昭の擁立に尽力し、関ヶ原の戦いでも重要な役割を果たしたことで、大名として栄しました。彼の子孫は最終的に子爵として称され、政治的地位を確立しました。

山名氏もまた、織田信長に仕官する道を歩みましたが、嫡流は滅亡し、その後は男爵としての地位に就くことになりました。

このように、四職を形成していた武士の家々はそれぞれ異なる道を歩み、時代の流れに翻弄されながらも日本の歴史に名を刻み続けました。

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