四辻季継

四辻季継の生涯と背景

四辻季継（よつつじ すえつぐ）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した公卿であり、四辻家の14代当主として知られています。彼は権大納言であった四辻公遠の次男として生まれました。季継は、政治や家系の中で多くの困難を経験し、様々な立場を支えながらその人生を全うしました。

出自と早年期

四辻季継は、天正13年（1585年）に叙爵を受け、天正16年（1588年）には元服を果たしました。この頃、彼は山科言経の勅勘により流浪の境地に立たされた山科家を相続し、教遠と名を改めて侍従に任官されます。しかし、天正19年（1591年）、彼の兄であり四辻家の嫡子であった季満が再び勅勘を受けて出奔したため、季継は戻ってきた家業の四辻家に身を置きます。

その後、文禄3年（1594年）に季継という名前に改められ、兄が離れた後の家族を再編成することとなりました。季継の弟である範遠は、山科家を再興しつつ名を教利に改め、高倉家についても行き先を変え、弟の嗣良がその家名を藪と改めるなど、複雑な相続が行われました。この時期の背景には、後に山科家が復権される際の策略や文献の抹消が影響していることが考えられます。

政治的キャリア

慶長14年（1609年）には正四位下に昇進し、翌年には参議に任命されました。さらに、慶長18年（1613年）には従三位となり、元和5年（1619年）には豊後国への流罪が決定されました。この流罪は、およつ御寮人事件とも呼ばれる一連の騒動に起因します。この事件は、皇子と皇女の誕生にまつわるものであり、季継あるいは彼の家族が幕府の目に留まった一因となりました。

翌年には大赦によって復帰したものの、その後の彼の昇進は続きます。元和10年（1624年）には正二位に昇進し、寛永3年（1626年）には権大納言という高位に就きました。

晩年と家族

四辻季継は、寛永16年（1639年）に59歳で薨去しました。彼の家族には、四辻公理、そして本誓寺宣継（本誓寺宣英の養子）が男子として存在し、女子には四辻継子（後水尾天皇の典侍）や大納言典侍があります。

四辻季継の家系は、彼が多くの政治的波乱を乗り越えながら、最終的には公卿として名を馳せたことによって形成されていきました。彼の高位への道は、流罪や家族の問題など数々の試練を伴ったものであり、それらの歴史的背景は、今なお注目され続けています。彼の生涯は、当時の権力構造や家族間の相続問題といった、日本の政治史における重要な一幕を窺わせるものです。

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