回天神社

回天神社は、茨城県水戸市に鎮座する神社です。幕末の動乱期、安政の大獄、桜田門外の変、東禅寺事件、坂下門外の変、天狗党の乱、会津戦争といった激動の時代に、国事に殉じた水戸藩士を中心とする志士たちを祀っています。社名は、水戸藩の学者であり思想家であった藤田東湖の著作『回天詩史』に由来します。

祭神

回天神社には、以下の御霊が祀られています。

元治甲子事変殉難者：宍戸支藩藩主 松平大炊頭頼徳命　ほか73柱
元治甲子事変殉難者：岡田信濃守徳至命　ほか992柱
元治甲子事変殉難者：松川支藩 林庸政義命　ほか6柱
安政事変殉難者：安嶋帯刀信立命　ほか6柱
桜田事変殉難者：金子孫二郎教孝命　ほか20柱
東禅寺事変殉難者：有賀半弥重信命　ほか10柱
坂下事変殉難者：小田彦三郎朝儀命　ほか4柱
越前敦賀殉難者：武田伊賀守正生命　ほか344柱
奥羽征討殉難者：鮎沢伊太夫国維命　ほか118柱
前項以外殉難者：水庭彦之允傭時命　ほか202柱
平成2年（1990年）合祀者：有村次左衛門兼清　ほか20柱

歴史

回天神社の起源は、明治3年（1870年）に現在の境内に作られた、天狗党の乱で落命した志士たちの墓に遡ります。明治22年（1889年）には、水戸勤王殉難志士之墓保存会が結成され、合同での祭祀が行われるようになりました。昭和8年（1933年）には、伯爵 田中光顕の後援により忠魂塔が建立されました。

昭和44年（1969年）、明治百年記念事業の一環として、松下幸之助らの提唱により忠魂塔前に本殿、拝殿、鳥居、参集殿などの社殿が建立され、翌45年、茨城県知事から宗教法人としての認可を受けました。平成元年（1989年）には、水戸市常磐町の常磐神社境内から回天館が移築され、翌2年、水戸藩士以外の殉難者21柱が合祀され、鎮魂碑が建立されました。

境内施設

回天館：天狗党の乱参加者が越前敦賀で降伏した後に囚われた鰊倉を、昭和32年に敦賀市から常磐神社に移築、平成元年に回天神社境内に再移築したものです。内部は天狗党資料の展示室となっており、柱や梁の一部、瓦には当時の材が使用され、扉や板壁には天狗党員の絶筆が残されています。毎週火・金曜日が休館日です。

その他

秋季大祭は10月14日に行われます。この日は大政奉還が行われた日です。
社紋は十四弁菊花です。
神社に隣接して、大正3年（1914年）に氏名が判明した殉難志士371名を葬った「水戸殉難志士の墓」があります。

交通

JR東日本常磐線水戸駅からバスで約15分（北口7番バス乗場から末広町経由に乗車し末広町三丁目下車）
常磐自動車道・水戸インターから約20分、駐車場有り

関連項目

常磐共有墓地
酒門共有墓地

外部リンク

回天神社（水戸観光協会）

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