回廊地帯

回廊地帯とは

回廊地帯（かいろうちたい、corridor）とは、特定の領土から延びる細長い区域を指し、その形態が廊下に似ていることからもこの名前が付けられました。この用語は、地理学や歴史学、地政学の中で重要な役割を果たします。回廊は、内陸国から海へのアクセスを提供したり、飛び地と本土を結びつけたり、他国の領土と繋がる目的で設けられます。

さらに回廊地帯は、単に国境に関連するものだけでなく、異なる機能を持つ場合も存在します。例えば、狭い谷間を利用して二つの都市を結ぶ重要な交通路や、複数の自然保護区の間を繋ぐ細長い自然区域（緑の回廊）も含まれることがあります。

回廊の例

現存する回廊

1. ワハーン回廊（Wakhan Corridor）
- アフガニスタンに位置し、中国へ繋がる重要な通路です。

2. カプリビ回廊（Caprivi Strip）
- ナミビアにあり、ザンベジ川と結ぶ戦略的な区域です。

3. シリグリ回廊（Siliguri Corridor）
- インドのアッサム州方面と繋がり、インド・パキスタン間の重要な通りとなった地帯です。

4. スヴァウキ・ギャップ（Suwalki gap）
- EUのポーランドとリトアニアの国境に位置し、ロシアとベラルーシに挟まれた軍事的に重要な通路です。

5. プエルト・ブッシュ（Puerto Busch）
- ボリビア多民族国によるもので、チャコ戦争でパラグアイから獲得したパラグアイ川への回廊です。

過去の回廊

1. 河西回廊（Hexi Corridor）
- 漢王朝が本土と東トルキスタンを繋ぐために利用した重要な通路で、敦煌がこの地に位置しました。

2. ポーランド回廊（Polish Corridor）
- 1919年から1939年までの期間に存在し、第一次世界大戦後のポーランドの海への出入口を提供しました。この回廊の存在はドイツ国内の不満を生み、第二次世界大戦への引き金となりました。

3. チェコ回廊（Czech Corridor）
- チェコスロバキアのスラブ系民族国家を連結するために提案されたが、実現せずに終わりました。

4. ラチン回廊（Lachin Corridor）
- アルメニアとナゴルノ・カラバフを繋ぐ回廊で、2020年以降はロシア軍の管理下にありました。

関連概念

回廊という概念は、様々な状況や文脈で使われます。特に、チョークポイントや国際河川、パナマ運河地帯など、地理的な要素が絡む場合が多いです。また、鉄道附属地や回廊列車、囲繞地通行権なども関連します。

回廊地帯は、国家の地政学的な状況や経済活動に大きな影響を与え、歴史的にも重要な役割を担ってきました。このように、回廊はその名の通り、地域を繋ぐ重要な存在です。

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