本土の定義とその用法
本土とは、ある
国における主要な
国土を指す言葉であり、これは離
島や植民地などとの対比で使用される。さらに特定の個人にとっての生まれ育った
国、つまり「本
国」を意味することもある。この言葉の具体的な使い方や定義は
国や地域によって異なるため、特に日本においては多様な理解が存在する。
日本における本土の範囲
日本は、すべての
領土が
島から構成される
島国であるため、「本土」とは何を指すのかについてはさまざまな意見が存在する。
国土地理院によると、日本の
島の数は2023年時点で14,125
島に上る。このため、どの
島を本土とみなすかという議論が起きる。
公的用法
日本における公的な定義としては以下のものが挙げられる:
- - 離島航路整備法では、「本州、北海道、四国及び九州」を本土とし、それ以外を離島とみなす。
- - 沖縄復帰に関する特別措置法律では、「沖縄以外の地域」を本土と定義している。
- - 内閣府設置法では、北方地域を除く地域が本土とされる。
- - 国土交通省は、北海道・本州・四国・九州・沖縄本島を除く島を離島と位置づけている。
公益財団法人日本離
島センターも同様に、上記の5つの
島が日本の本土であるとし、それ以外を
島として扱うことが多いとしている。これらの定義は地理的な分類を目的としたもので、公的な
法律や
行政の観点から見たものである。
学術的用法
生物学的な観点からみると、日本の特有の動植物には「ホンド」という冠がつくものがある。これは、日本列
島内部での生物相の違いを反映している。例えば、ホンドギツネやホンドタヌキなどがその例である。これに対して、
北海道の動物たちには「エゾ」と名付けられることが多い。
歴史的には、近畿地方を中心とする地域を本土とみなすことがあった。また、「
日本本土の戦い」などの文脈では、
内地と
外地を区別するために本土が使われることもあった。一方で、「
本土決戦」という用語においては、沖縄を本土に含めない場合もあった。加えて、戦後の
引き揚げや「
本土復帰」という言葉は、政府の
主権が及ぶ地域を意味している。
その他の国々での用法
西洋諸
国では、清朝が支配する
中国のうち、漢
民族が多数を占める地域を「
中国本土」と呼ぶことがある。この用語は、
歴史の中でさまざまに変遷してきた。
台湾は、
日本の降伏により
1945年から
中華民国に属するようになった。しかし、
国民政府の経済政策や政治的な圧力を受けて、
台湾本土化運動が展開されるようになった。
1990年代には、
台湾が
民主化を果たし、それに伴い
台湾の文化が重要視されるようになり、
中国大陸ではなく
台湾こそが本土であるという意識が強まった。
オーストラリアでは、大陸部分を
オーストラリア本土と呼ぶことが一般的であり、タスマニアを除外する場合に使われる。また、
フランスでは、
ヨーロッパにある
国土を
フランス・メトロポリテーヌと呼び、本土とそれ以外で異なる法制度を持つことが多い。
アメリカにおける本土の使い方
アメリカでは、
アラスカ州と
ハワイ州を除いた本土部分を指して「
アメリカ合衆国本土」と呼ぶ。これは、
北アメリカ大陸の連続的な地域を示す意味がある。
歴史的な観点から
古代において、本土は
地中海の半
島状の地域と関連づけられていた。ギリシアやローマの本土も、現代の
国家境とは異なった概念として存在していた。
このように、本土という言葉は多様な定義があり、地域や
歴史的な背景によって異なって理解されている。