国分胤通

国分胤通（こくぶ たねみち）は、生没年不詳ながら、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した武士です。千葉常胤の五男として生まれ、母は秩父重弘の娘とされています。通称は五郎左衛門尉で、文献によっては「胤道」と記されていることもあります。下総国分氏の祖として知られています。

生涯

胤通は、下総国葛飾郡国分郷（現在の千葉県市川市国分）に居住していたことから、「国分」を称するようになりました。その後、香取郡矢作郷（現在の香取市本矢作）に拠点を移しています。源頼朝が挙兵すると、父である千葉常胤や兄たちと共にこれに従い、源氏の有力な武将として活躍しました。

特に、頼朝の嫡男である頼家の七夜の儀においては、弓煥を持する役目を務めました。また、源範頼の平家追討軍にも父と共に参加し、その後の奥州合戦や畠山重忠の乱鎮圧といった重要な戦にも参戦しています。さらに、頼朝が上洛し、奈良の東大寺大仏殿の落慶法要に参加した際には、胤通もこれに供奉しています。これらの事績から、胤通が頼朝からの信頼厚い武将であったことが伺えます。

父である常胤から矢作郷に近い大戸荘などを譲り受けたとされ、源実朝までの三代の将軍に仕えたとされています。国分氏の基礎を築き、その後の発展に大きく貢献しました。

関連事項

下総国分寺：国分胤通の供養塔がこの地に存在します。この事からも、胤通が地域に深く根ざした人物であったことがわかります。

参考文献

樋口誠太郎「国分胤通」『千葉大百科事典』（千葉日報社、1982年）
* 野口実「平胤通」（『平安時代史事典』（角川書店、1994年） ISBN 978-4-04-031700-7）

これらの参考文献を通じて、国分胤通の生涯や業績に関するより詳細な情報を得ることができます。

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