国家電網

国家電網公司（State Grid Corporation of China）

国家電網公司は、中国国営の巨大電力会社であり、中国全土への電力供給を担う重要な企業です。一般的に「ステートグリッド」とも呼ばれています。中央政府直轄の中央企業として、中国のエネルギーインフラを支えています。

世界最大の電力会社

国家電網公司は、世界最大の電力会社であり、その規模は圧倒的です。太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー分野でも、世界トップクラスの設備容量を誇ります。2018年には、フォーチュン誌の「世界企業500社」ランキングで売上高2位にランクインするなど、その経済的な影響力も非常に大きいと言えるでしょう。

技術革新への積極的な投資

単に規模が大きいだけでなく、AIなどの先端技術の研究開発にも積極的に投資しています。その結果、特許取得件数では、中国国内でトップクラスの実績を誇っています。これは、単なる電力供給会社としてだけでなく、技術革新を牽引する企業としての側面も持っていることを示しています。

中国全土への電力供給

国家電網公司は、中国全土への送電・変電・配電を担っています。華北、東北、華東、華中、華南の5つの地域に子会社を抱え、それぞれの地域での電力供給を支えています。特に、三峡ダムがある華中地域では、「西電東送」と呼ばれる、西部で発電した電力を東部へ送るプロジェクトの重要な役割を担っています。

グローバルな展開

国家電網公司は、中国国内だけでなく、海外にも積極的に進出しています。イタリア、ポルトガル、ギリシャ、ブラジルなどの電力関連企業の株式を取得し、大陸間送電網の構築を目指しています。さらに、世界規模の送電網「グローバル・エネルギー・インターコネクション（GEI）」を提唱し、エネルギーの国際協力を推進しようとしています。また、北東アジアの送電網構想である「アジアスーパーグリッド（ASG）」は、このGEIを補完するものと考えられています。日本との関係では、電気自動車（EV）の急速充電器の規格統一で、日本のCHAdeMO協議会と合意するなど、技術協力も進めています。

歴史

国家電網公司は、2002年に電力機構の「発送分離」によって、以前の国家電力公司から分離して設立されました。現在、大唐、中電投、国電、華電、華能といった、中国の五大発電会社が発電した電力の送電を専門に行っています。

関連事項

華南電網公司
西電東送
スマートグリッド

参考資料

中国の地域エネルギー事情調査報告書 （第3章、2003年調査）

外部リンク

国家電網公司ホームページ （中国語）
中国大唐集団公司 （中国語）（英語）

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