国市池

国市池（くにいちいけ）

国市池は、香川県三豊市高瀬町比地中に位置する美しい人造湖（ため池）です。その貯水量は83万4000立方メートル、満水時の面積は22.8ヘクタールに及びます。2010年（平成22年）には、農林水産省の「ため池百選」に選定されました。

歴史

国市池の歴史は古く、1597年（慶長2年）に生駒親正によって東半分が築造されました。その後、1668年（寛文8年）には丸亀藩主の京極高豊が西半分の池床と堤防の嵩上げ工事を行い、現在見られる池の姿が形作られました。この工事によって、元々あった5つの池が統合されましたが、「五丁池」と呼ばれる池の一部は、減水期になると中堤が現れることでその名残を留めており、現在もため池台帳にその名が記載されています。

平地に位置する国市池は、高瀬町麻地区の高瀬川から取水しており、その取水路は全長6.84kmにも及ぶ疏水路によっています。かつては水漏れが頻発していましたが、1932年（昭和7年）から1934年（昭和9年）にかけて「農業救済事業」として疏水の改修工事が行われ、以降は安定した水の供給を実現し、高瀬町内の231ヘクタールもの農地を潤しています。

名前の由来

国市池は、その規模の大きさから、かつては「国一池」と表記されていました。これは、満濃池に次ぐ讃岐国で一番の大きさを誇る池であることに由来します。また、丸亀藩内で最も重要なため池であるという意味も込められていたとも伝えられています。明治初期以降、「国市池」と改められ、現在に至ります。

自然

国市池は、高瀬町の中央部に位置し、国道11号の西側に隣接しています。勝田池とも隣り合っており、周辺は豊かな自然に囲まれています。耕作が終わる減水期には、ハマシギやシロチドリなどの水鳥や、コサギ、ダイサギ、アオサギといったサギ類が群れをなして飛来します。冬にはカモが1000羽以上も集まり、時には珍しい種類の鳥が見られることもあり、多くの野鳥愛好家が観察に訪れます。

また、隣接する香川県立高瀬高等学校のカヌー部が練習場として利用しており、湖面での練習風景が見られます。池の周辺はジョギングや散歩コースとしても整備されており、地域住民の憩いの場、親水空間として親しまれています。

アクセス

JR四国予讃線 高瀬駅
国道11号、香川県道224号岡本高瀬線

関連項目

三豊市
ため池百選

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