国東始

国東 始（くにあずま はじめ）

国東 始（くにあずま はじめ、1975年9月4日 - ）は、ブラジル・サンパウロ市出身の元大相撲力士です。本名はヴァンデル・ラーモス（後にヴァンデル・ラモス）。玉ノ井部屋に所属していました。身長192cm、体重180kgという恵まれた体格を持ち、右四つ、寄り、突き、叩きを得意としていました。愛称は「ラモス」。血液型はO型で、イタリア系の血を引くブラジル人です。趣味は音楽鑑賞。

生い立ちと入門

幼少期には柔道に親しみましたが、中学校入学と同時に相撲を始めました。ブラジル国内の大会でも活躍し、頭角を現します。高校時代には、明治大学中野高校相撲部主催のホームステイで玉ノ井部屋と縁ができ、友人が入門を希望した際に、その父親から同行を頼まれたことがきっかけで、自身も入門を決意します。

1991年8月、他の3人と共に来日し、玉ノ井部屋に入門しました。同期には、日系人の東風（最高位:幕下）と北東（最高位:幕下）、そして純日本人の若東（最高位：十両、両親が日系一世）がいました。国東は、日本人の血を引かない唯一のブラジル人でした。

力士としての道のり

1991年9月場所に初土俵を踏み、長身を生かしたスケールの大きな相撲で順調に番付を上げていきます。右四つからの強引な小手投げで勝機を掴む場面もありましたが、小手投げの多用から腰痛に悩まされ、長期休場を2度経験。その度に序ノ口まで番付を落としましたが、復帰後は短期間で幕下上位まで返り咲き、各段優勝は5回を数えました。2000年5月場所には幕下優勝を果たし、東幕下2枚目まで番付を上げ、翌7月場所で4勝3敗と勝ち越しを決め、9月場所に十両昇進を果たしました。これは純ブラジル人としては初の関取誕生となりました。

十両昇進後、序盤から優勝争いに加わりますが、9勝目をあげた13日目の相撲で左手の関節を故障し、途中休場を余儀なくされました。その後しばらく十両に定着しましたが、腰の古傷が悪化し、2002年3月場所を最後に幕下に陥落します。その後も十両復帰を目指し相撲を取り続けましたが、2003年9月場所には三段目に陥落。2004年3月場所を最後に現役を引退しました。ブラジルから渡ってきた同期の中では、最後まで現役を務め上げました。

引退後

引退後は会社員として活躍しています。2007年10月20日には、テレビ朝日の討論番組「朝まで生テレビ! 激論“国技大相撲”に未来はあるか？」にパネリストとして出演しました。

主な戦績

生涯成績：276勝183敗146休 勝率.601
十両成績：52勝53敗45休 勝率.495
現役在位：76場所
十両在位：10場所

各段優勝

幕下優勝：1回（2000年5月場所）
三段目優勝：1回（1996年9月場所）
序二段優勝：1回（1999年3月場所）
序ノ口優勝：2回（1995年11月場所、1999年1月場所）

改名歴

国東 次郎（くにあずま じろう）1991年9月場所 - 1995年11月場所
国東 始（くにあずま はじめ）1996年1月場所 - 2002年7月場所
功弐東 竜（くにあずま りゅう）2002年9月場所 - 2004年3月場所

外部リンク

功弐東 竜 - 日本相撲協会
* 国東 始 - 相撲レファレンス

もう一度検索