国民協会 (日本 1892-1899)

国民協会 - 明治時代の国粋主義団体

国民協会（こくみんきょうかい）は、明治時代の日本において国粋主義的な立場を持つ政治団体です。この団体は、1892年に設立され、衆議院において院内会派「議院倶楽部」として活動しました。団体の設立時、会頭には西郷従道、副会頭には品川弥二郎が就任し、当時の政治状況を背景に組織が形成されました。

設立と初期の活動

国民協会は、設立当初から多くの著名な政治家や官吏的議員をそのメンバーとしました。幹事には渡辺洪基、牧朴真、白井遠平が選ばれ、後に安場保和が幹事長として活動を指揮しました。他にも、佐々友房や佐藤昌蔵、大岡育造らが参加し、自由党右派の新井毫も加わるなど、政治的な影響力を拡大しました。

この団体は、政府の富国強兵政策を支持しながらも、条約改正や財政規律の確立に関しては厳しい意見を表明することがありました。特に、初期の第2次伊藤内閣では、日英通商航海条約の調印に対して反対したことで知られています。この反対姿勢により、国民協会は事実上の野党としての地位を確立しました。

組織の変遷と解散

しかし、政府の策略により、西郷従道や曾根荒助が離脱したことは大きな打撃となりました。1893年には、国民協会自体が政事結社として認定されると、翌年には存在意義を失い、それに伴い国民政社と議院倶楽部が解散し、国民協会に一本化されました。品川が中心となり、この新たな体制の下で活動を続けました。

1894年の第3回衆議院選挙では、吏党系の中で最多の35人が当選しましたが、議席数は大きく減少しました。この結果、国民協会は立憲改進党とともに反伊藤内閣、反自由党の姿勢を強めることとなりました。品川と山縣有朋との関係を深め、貴族院との連携も図りますが、政治的には孤立していきました。

最終的に1899年、品川は国民協会を解散し政党活動からの撤退を宣言しました。所属する議員たちは新たに帝国党を結成し、国民協会はその歴史に幕を下ろしました。

評価と影響

国民協会は本来、藩閥政府を擁護することを目的として設立されましたが、その中でしばしば政府に反抗する姿勢を見せました。そのため、歴史的には「政界奇異の一現象」と評されることがありました。これは、当時の政治の複雑な状況を反映していると言えるでしょう。国民協会は、明治時代の日本の政党の中でも特異な存在だったと評価されています。これに関する詳しい研究は、奥谷松治著『品川彌二郎伝』や『国史大辞典』などに見られます。

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