国民同盟 (日本)

国民同盟とは

国民同盟は、1932年（昭和7年）12月22日から1940年（昭和15年）7月26日まで存在した、昭和期の保守・親軍部政党です。この政党は、満州事変後の政治状況の中で、既存の政治体制に対する不満を背景に誕生しました。

結成の背景

満州事変直後、当時の立憲民政党の安達謙蔵内務大臣は、幣原外交と井上財政を強く批判し、協力内閣運動を推進しました。しかし、この運動は失敗に終わり、安達は民政党を離党することになります。1932年（昭和7年）、安達は中野正剛、山道襄一、富田幸次郎、古屋慶隆、風見章らとともに政治グループ「国策研究クラブ」を結成しました。その後、革新党などと合同し、衆議院議員32名で政党「国民同盟」が結成されました。

政策と活動

国民同盟は、軍部と協力し、統制経済の実現と満州事変における日本の国際的正義を擁護することを掲げました。しかし、政権獲得を重視する安達と、中野・山道の3幹部の間には意見の齟齬があり、党内は早くも分裂の兆しを見せ始めました。富田・古屋らは間もなく民政党に復党しました。

1936年（昭和11年）に安達が岡田内閣の内閣審議会委員に任命されると、幹部間の意見の対立が表面化し、中野は離党して東方会を結成、山道も民政党に復党しました。さらに風見も離党し、近衛文麿のブレーンとなりました。これにより、国民同盟の党勢は急激に衰退し、第20回衆議院議員総選挙以降はわずか11名の小政党となりました。その後は、他の小政党や無所属議員と小規模な院内会派を形成し活動するのが精一杯の状態でした。

解散

近衛文麿が新体制運動を起こすと、国民同盟は率先してこれに賛同し、大政翼賛会に合流するために解散しました。国民同盟は短期間の活動でしたが、昭和初期の政治状況を反映する政党の一つとして、その存在は注目されます。

関連事項

協力内閣運動
新体制運動
安達謙蔵
中野正剛

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