国民統一党 (ミャンマー)

国民統一党

国民統一党（こくみんとういつとう、National Unity Party、略称：NUP）は、東南アジアに位置するミャンマー連邦共和国の政党です。ミャンマー語ではတိုင်းရင်းသားစည်းလုံးညီညွတ်ရေးပါတီ（Taigyintha Silonenyinyutye Party）と呼ばれます。この党の歴史は、かつてビルマ（ミャンマーの旧称）において長らく一党支配体制を築いていたビルマ社会主義計画党（BSPP）に遡ります。

歴史的変遷

ビルマ社会主義計画党は、1962年のクーデター以降、「ビルマ式社会主義」を掲げて国家を主導してきましたが、1988年の大規模な民主化運動（いわゆる8888運動）の高まりを受けて、その体制は大きく揺らぎました。こうした激動の政治状況の中、BSPPは複数政党制の導入という変化に対応するため、1988年9月24日に名称を国民統一党と改め、新たなスタートを切りました。

選挙での苦戦

党が国民統一党として初めて臨んだ全国規模の選挙は、1990年に実施された総選挙でした。この選挙では、全492議席のうち、わずか10議席を獲得するにとどまりました。これは、民主化勢力の国民民主連盟（NLD）が地滑り的な勝利を収めたのとは対照的な結果でした。

選挙後、当選した議員によって国民議会が構成されるはずでしたが、当時の国家平和発展評議会（軍事政権）は、この選挙結果を事実上無視し、議会の召集を拒否し続けました。このため、国民議会は一度も開かれることはなく、国民統一党が獲得した10議席も政治的な力を発揮する機会を失いました。

低迷の続く活動

1990年の総選挙以降、国民統一党の党勢は大きく低迷し、目立った活動も少ない状態が続きました。かつて一党支配を誇ったBSPP時代とは一変し、ミャンマー政治における影響力は限定的なものとなりました。

党はその後も選挙に参加しています。2010年に行われた総選挙では、下院（Pyithu Hluttaw）で12議席、上院（Amyotha Hluttaw）で5議席を獲得し、一定数の議席を確保しました。しかし、続く2015年の総選挙では、再び大きく議席を減らし、上院でわずか1議席を獲得するにとどまるなど、党勢の回復には至っていません。

度重なる選挙での苦戦や活動の低調さから、現在の国民統一党は、かつての権力政党としての面影をほとんど失い、ミャンマー政治の舞台で大きな役割を果たす存在とは言えない状況が続いています。

関連項目

* 連邦団結発展協会（USDA）：軍政の影響下で組織された団体。

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