国民統合21

2002年、韓国で国民的人気を博した鄭夢準氏が中心となり、国民統合21（統合21）が結成されました。鄭氏は現代グループ創業者の鄭周永氏の六男であり、現代重工業顧問という経歴を持っていました。

2002年の日韓共催サッカーワールドカップの成功は、鄭氏の知名度を飛躍的に向上させました。この世論の高まりを背景に、彼は大統領選挙への立候補を表明。そして同年9月、国民統合21を結成します。同年11月には、鄭氏を党代表および大統領選挙の公薦候補に選出する結成大会が開催されました。

当時の与党、新千年民主党（民主党）の盧武鉉候補は、野党ハンナラ党の李会昌候補と激しい争いを繰り広げていました。鄭氏は、李会昌候補に対抗するため、盧武鉉候補との候補者一本化交渉を開始しました。

交渉は難航しましたが、最終的に世論調査で優勢だった盧武鉉候補が統一候補に選出されました。敗れた鄭氏は、選挙対策委員長に就任することで、盧武鉉候補を支援することになりました。しかし、投票直前の12月18日、鄭氏は突如、盧武鉉候補への支持を撤回するという衝撃的な行動に出ました。

この決定は、強い批判を呼びました。多くの党幹部が離党し、党は深刻な打撃を受けました。2004年に行われた総選挙では、鄭氏自身のみが当選を果たすという結果に終わりました。同年5月、国民統合21は党の解散を決議。同年9月には、政党登録が取り消され、その短い歴史に幕を閉じました。

国民統合21は、韓国政治史において特異な存在として記録されています。鄭夢準氏の高い人気と、大統領選挙における複雑な駆け引き、そして最終的な支持撤回という波乱の展開は、多くの議論を呼びました。国民統合21の短命な歴史は、選挙戦略の難しさ、そして国民の支持獲得における不確実性を改めて示す事例となりました。鄭氏の大胆な行動と、その後の国民の反応は、韓国政治におけるリーダーシップと世論のダイナミズムを浮き彫りにしたと言えるでしょう。短期間の活動ながら、韓国政治史に一つの痕跡を残した政党として、国民統合21は研究対象として注目に値します。 その存在は、韓国政治における権力闘争や世論の変動、そして選挙戦略の重要性を再考する上で貴重な事例を提供していると言えます。

もう一度検索