国道421号

国道421号：鈴鹿山脈を越える道

国道421号は、三重県桑名市を起点に滋賀県近江八幡市に至る一般[[国道]]です。全長約66km、鈴鹿山脈を横断するルートから「八風街道」の愛称でも親しまれています。三重県いなべ市の宇賀渓、滋賀県東近江市の愛知川渓谷など、景観に恵まれた地域を通り抜けます。特に秋の紅葉シーズンには、永源寺周辺の美しい景色を求めて多くの観光客が訪れます。

歴史と変遷

国道421号の歴史は古く、明治時代後期には産業道路として重要視されていました。1920年には県道に指定され、その後、1934年からは国道への昇格と改修に向けた動きが活発化しました。1939年の踏査では、石榑峠を経由するルートが最適と判断されました。

1954年には主要地方道八幡員弁線が指定され、滋賀県と三重県でそれぞれ県道番号が割り当てられました。1970年に石榑峠区間が江勢道路として開通したものの、当時は林野庁の管轄下にありました。1975年に町道、そして県道に認定されたのち、1976年には「近江八幡員弁線国道昇格期成同盟会」が設立され、関係自治体の強い要望を受けて、1981年4月30日に一般[[国道]]421号として正式に指定されました。

かつての石榑峠区間は、狭隘で通行に困難な区間として知られていました。特に大型車の通行は困難で、紅葉シーズンなどには2時間以上の通行待ちも珍しくありませんでした。2008年の豪雨による通行止めを機に、災害復旧を経ることなく、2011年3月26日に開通した石榑トンネルによって、この状況は大きく改善されました。旧道はいなべ市に移管され、現在は市道となっています。

路線状況と整備

現在、三重県内の国道421号は全線で2車線以上確保されており、桑名市の上野交差点から星川交差点にかけては4車線道路となっています。東名阪自動車道桑名ICへのアクセス道路としての役割も担っています。

一方、滋賀県側、特に東近江市永源寺政所町から相谷町にかけては、大型車のすれ違いが困難な区間があり、現在も改良工事が進められています。国道307号から終点の国道8号友定町交差点までは、名神高速[[道路]]八日市ICへのアクセス道路として、昼間の交通量は非常に多くなっています。

道路施設

国道421号沿いには、いくつかの橋やトンネル、道の駅などの道路施設があります。

主な橋:

三笠橋（員弁川）
不老橋（愛知川）
佐目子谷橋（佐目子谷川）

主なトンネル:

石榑トンネル
相谷隧道
相谷第一トンネル

道の駅:

* 道の駅奥永源寺渓流の里

旧道（石榑峠）

旧道の石榑峠区間は約2kmに渡り、かつては車重2t以下、車幅2m以下の車両しか通行できない狭隘路でした。「近畿二大峠酷道」の一つとして知られ、大型車の進入を防ぐため、峠の入り口にはコンクリートブロックが設置されていました。冬期閉鎖も実施されていましたが、石榑トンネルの開通により、現在は通行制限は解消されています。

まとめ

国道421号は、自然豊かな景観と歴史的背景を持つ道路です。かつては困難な通行条件が課題でしたが、近年の整備により安全で快適な走行が可能になっています。しかし、現在も改良工事は継続されており、さらなる利便性向上に向けた取り組みが進められています。今後、地域住民や観光客にとってより魅力的な道路となることが期待されます。

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