国鉄1240形蒸気機関車

1240形蒸気機関車の概要

1240形は、日本国有鉄道の起源である鉄道省に所属していたタンク式蒸気機関車です。1919年に新宮鉄道がアメリカのボールドウィン・ロコモティブ・ワークスで製造したもので、初めて登場したのはその年でした。この機関車は2気筒単式であり、飽和式の設計が特徴となっています。

歴史的背景

1240形は、1934年に新宮鉄道が国有化された際に、鉄道省籍に変更されました。しかし、国有化後はすぐに使用されることはなく、ほとんどの期間が放置されました。現車に「1240」という番号が適用されることなく、公式には改番されましたが、実際にはその名前すら浸透していませんでした。1936年には廃車され、解体されてしまったため、短い運命を辿ったことが分かります。

主な仕様

1240形の主要な諸元は次の通りです：

• - 全長：7,904mm
• - 全高：3,242mm
• - 全幅：2,337mm
• - 軌間：1,067mm
• - 車軸配置：0-6-0(C)
• - 動輪直径：940mm
• - ボイラー圧力：12.0kg/cm²
• - 水タンク容量：2.5m³
• - 機関車運転整備重量：22.24t

この機関車は、シリンダーの引張力が4,610kgで、手ブレーキや蒸気ブレーキといった基本的なブレーキ装置を備えていました。運行においては、比較的小型でありながら、放置せざるを得ない状況に陥ったのです。

富士身延鉄道との関係

1240形と同じクラスの機関車として、富士身延鉄道の1形が存在します。この機関車は1912年に製造され、1240形とほぼ同じデザインで、小さな差異が見られます。特に動輪直径は若干大きく、煙突や煙室戸の形が異なる点が特徴です。しかし、1918年には新たに大型の機関車が登場し、その結果、1240形のような小型機関車は余剰となり、利用されることがなくなりました。

最後の運命

1240形は1936年に廃車される運命を辿りました。この形の機関車は、当初新宮鉄道に所属していたが、他の類似した機関車も同様の運命をたどることになりました。特に、富士身延鉄道1形の機関車は、その後異なる製鉄所へ名義変更され、数台が保存されました。このように、1240形は短命の運命を持っていたものの、日本の鉄道の歴史にその名を刻んでいます。

1240形の歴史は、鉄道における新たな技術とデザインの流れを示しており、近代鉄道史において忘れられない存在です。

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