国鉄1285形蒸気機関車

1285形タンク式蒸気機関車

1285形は、日本の国有鉄道の創成期に貢献したタンク式蒸気機関車です。この機関車は、1914年に小倉鉄道のためにドイツのヘンシェル・ウント・ゾーン社によって製造されました。元々の製造番号は12826から12828までの3両で、車軸配置は0-6-0(C)という特徴があります。これにより、26トン級のサイド・ウェルタンク式機関車として小倉鉄道で使用されていました。

国有化とその後の運命

1943年に小倉鉄道が戦時中に買収され、これに伴い鉄道省に所属することになりました。この時に1285形という呼称が与えられましたが、鉄道省では3と5の車両にのみ制式番号が付与され、4号機はそのまま譲渡されました。小倉鉄道における車両番号は、製造番号の逆順で付けられたため、実際には3が1285、5が1286として記録されました。

国有化後、1285形は添田線（初代）に留まり、主に桟橋や工事用に使用されましたが、1956年には全て廃車となりました。また、熊延鉄道に譲渡された車両もあり、こちらも1950年には廃車にされています。

タンク機関車の特徴

ヘンシェル製の0-6-0型タンク機関車は、1285形を含めて数多くの地方私鉄でも使用されました。そのため、日本国内での需要が高く、日本車輌製造や今村製作所などで模倣されることもありました。他の鉄道にも導入されており、特に武蔵野鉄道向けに1914年に製造された機関車は、1285形よりもやや小型で異なる仕様が特徴でした。

富山鉄道にも同様の機関車が3両導入され、こちらは1285形と同様の形態を備えていましたが、構造が異なる点もありました。特に、動輪の軸距に関して富山鉄道の機関車は均等であるのに対し、武蔵野鉄道向けのものは不均等でした。

技術的仕様

1285形の主要な諸元は以下の通りです：

• - 全長: 8,172mm
• - 全高: 3,578mm
• - 全幅: 2,660mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 0-6-0(C)
• - 動輪直径: 914mm
• - 弁装置: ワルシャート式
• - シリンダー: 330mm×451mm
• - ボイラー圧力: 12.0kg/cm²
• - 火格子面積: 0.87m²
• - 水タンク容量: 4.1m³
• - 燃料積載量: 1.0t

このように、1285形はその構造と機能面で優れた性能を持つ機関車として、地方私鉄でも重宝されていました。また、シリンダ引張力は5,480kgを持ち、ブレーキ装置には手ブレーキと蒸気ブレーキが搭載されていました。

結論

1285形は、日本の鉄道技術の発展に寄与し、鉄道の歴史において重要な役割を果たした蒸気機関車の一つです。国有化前が小倉鉄道に属し、国有化後もその名を残し続けるなど、さまざまな形で鉄道に関する技術革新を促したと言えるでしょう。

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