国鉄3170形蒸気機関車

3170形タンク式蒸気機関車の概要

3170形は、日本国有鉄道に所属したタンク式蒸気機関車であり、かつての鉄道院や鉄道省に在籍していました。この機関車は、1903年に日本鉄道がドイツのハノーファー機械製作所から6両を輸入したのが始まりです。元々はH3/5形と呼ばれ、特徴的な車軸配置2-6-2(1C1)と単式2気筒の構造を持つ飽和式タンク機関車でした。

設計の背景

当時、日本国内ではドイツ製の機関車が高い実績を上げており、日本鉄道でもこの流れに乗る形でドイツ製機関車の導入が進みました。実際、3170形はヘンシェル社製のHS3/5形と共に製造されましたが、全ての機関車をドイツ製に統一することには抵抗があり、同年に発注された32両のうち24両はイギリスのベイヤー・ピーコック社で製造されることになりました。この発注プロセスには一般競争入札が含まれていましたが、仕様を統一した上で再度指名競争入札を行ったため、その透明性が問題視される事例もありました。

機関車の性能と特徴

3170形は形状においても官設鉄道のB6クラスに手を加え、先輪を追加し火格子面積を拡大するなどの改良が施されました。火室はベルペヤ式で、先台車はビッセル式を採用し、弁装置には当時の最先端技術であるワルシャート式を取り入れました。このような設計から、導入当初は日本最大のタンク機関車として位置づけられていました。

日本国有鉄道として正式に改番されたのは国有化後の1909年で、3170形（3170 - 3175）という番号が付与されました。機関車は当初、宇都宮、小山、田端、福島、盛岡のそれぞれの場所に配置されていましたが、国有化後には小山と宇都宮に集約され、一部は大宮工場での入換用に使用されました。

3170形の廃車は段階的に行われ、3171と3172が1949年、3173と3175が1950年、3170と3174は1951年にそれぞれ廃車されました。その中で3170は高崎板紙に譲渡されましたが、結局使用されることなく廃棄されました。

主要諸元

3170形の主要な数値は以下の通りです：

• - 全長: 11,655mm
• - 全高: 3,810mm
• - 全幅: 2,642mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 動輪直径: 1,245mm
• - シリンダー: 406mm×610mm
• - ボイラー圧力: 12.7kg/cm²
• - 火格子面積: 1.91m²
• - 機関車運転整備重量: 55.69t
• - 機関車空車重量: 43.23t
• - 水タンク容量: 7.28m³

また、シリンダ引張力は8,720kgに達し、ブレーキ装置としては手ブレーキと真空ブレーキが装備されています。

終わりに

3170形タンク式蒸気機関車は、日本の鉄道技術がドイツからの影響を受けつつも、独自の進化を遂げた機関車の一例です。その性能や特徴は、当時の技術者たちの努力と挑戦の象徴とも言えるでしょう。

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