国鉄6000形蒸気機関車

6000形蒸気機関車

6000形は、かつて日本国有鉄道の前身である鉄道作業局、鉄道院、鉄道省に在籍していたテンダ式蒸気機関車です。本機関車は、1906年にアメリカのアメリカン・ロコモティブ社のピッツバーグ工場で製造され、当初は関西鉄道にて使用されていました。これは、平坦な区間での走行を想定した設計であり、その車軸配置は4-4-0（2B）というタイプです。

機関車の製造と改番の歴史

6000形は、もともと関西鉄道において110形「追風」として120両が登録され、1909年には鉄道院の新しい車両形式称号規程に基づき、6000形（6000から6011までの番号）として再編成されました。この機関車は、2気筒単式の飽和式テンダ機関車で、後に鉄道院6500形に改良された増備車の一部でもあります。

6000形の設計は、当時の国有化や多くの官設鉄道との競争を意識したものであり、外観的には40形に類似していましたが、技術面での改良や形状の変更がなされました。特に、ピッツバーグスタイルの特徴が徐々に失われ、国有化後は標準スタイルに統一されていった様子が観察されます。

運用歴

主に亀山と加茂間の旅客列車に重用されていた6000形は、大正中期には湊町、木津、京都間や参宮線でも運行されるようになりました。昭和に入ってからは、運用の場が広がり、一部は姫路に転出して姫新線用としても活用されました。最終的には、糸崎や湊町、王寺、さらには奈良や竜華、紀伊田辺の入換作業に使用されることとなりました。

この形式は、太平洋戦争後もその優れた性能から存続し、1949年から1950年にかけて廃車となるまで活躍しました。廃車は1949年3月に8両、1950年1月に4両が行われ、いずれも解体されました。

主要諸元

6000形の詳細なスペックは、1924年版の形式図集に記載されています。以下はその主要諸元です。

• - 全長: 14,224mm
• - 全高: 3,658mm
• - 全幅: 2,413mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 4-4-0(2B)
• - 動輪直径: 1,524mm
• - 弁装置: スチーブンソン式アメリカ型
• - シリンダー（直径×行程）: 381mm×559mm
• - ボイラー圧力: 11.3kg/m²
• - 火格子面積: 1.39m²
• - 全伝熱面積: 93.5m²
• - 煙管蒸発伝熱面積: 85.5m²
• - 火室蒸発伝熱面積: 3.3m²
• - 小煙管（直径×長サ×数）: 45mm×2,896mm×210本
• - 機関車運転整備重量: 36.14t
• - 機関車空車重量: 32.33t
• - 機関車動輪上重量（運転整備時）: 23.78t
• - 機関車動輪軸重（第1動輪上）: 12.01t
• - 炭水車重量（運転整備）: 21.66t
• - 炭水車重量（空車）: 11.96t
• - 水タンク容量: 9.1m³
• - 燃料積載量: 1.20t

また、機関車の性能の一環として、シリンダ引張力は5,070kg、高い制動力を有する手ブレーキおよび真空ブレーキが装備されていました。

参考文献

詳細については、以下の文献を参考にしてください。

• - 臼井茂信著『国鉄蒸気機関車小史』1956年、鉄道図書刊行会
• - 臼井茂信著『日本蒸気機関車形式図集成』1969年、誠文堂新光社
• - 臼井茂信著『機関車の系譜図 2』1972年、交友社
• - 金田茂裕著『形式別 日本の蒸気機関車 III』エリエイ出版部
• - 金田茂裕著『日本蒸気機関車史 私設鉄道編 I』エリエイ出版部
• - 寺島京一著『機関車史のうらばなし10』『レイル』No12、1979年3月号、55-57頁

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