国鉄UT1形コンテナ

国鉄UT1形コンテナについて

国鉄UT1形コンテナは、日本国有鉄道（国鉄）やその業務を受け継いだ日本貨物鉄道（JR貨物）に属する鉄道用タンクコンテナです。このコンテナは、全長10フィートまたは12フィート（約3.6メートル）で、主に液体や気体、粉末状の材料の輸送に対応しています。

概要

このコンテナが初めて製造されたのは1970年（昭和45年）で、国鉄時代から活用されてきました。自重は約1.8トンで、一般的な荷重は約5トンとされています。従来はタンク車によって運ばれていた液体や粉体を、このコンテナに置き換え、さまざまな用途に使用されています。具体的には、鉱油、化学薬品、冷媒用のフロンガス、さらには食用油や牛乳などの食品の輸送にも使用されます。

荷役作業は、通常、貨物駅においてフォークリフトを用いて行います。また、クレーンを利用することもあり、これに対応するため吊上げ用フックが装備されたコンテナも存在します。

UT1形には、荷物を下部の排出管から排出するために圧力空気を使用する「エアスライド」装置を搭載したタイプがあります。残念ながら、ほとんどのモデルにはサイコロ状の防護フレームが設けられておらず、出荷先では二段積みができないため、平面に一基ずつ配置されるか、箱形のコンテナの上に搭載される形になります。

現況

1987年の国鉄分割民営化以降も、JR貨物がこのコンテナの運用を引き継ぎ、多くの企業で液体の小口輸送に利用されています。1987年2月時点での累積登録数は698個で、現在では特に古いモデルが淘汰され、コンテナの総数は100個以下に減少しています。

興味深い事例として、2020年10月時点で、1978年製のUT1-210コンテナが西大分駅内で現役として留置されていることがフォトストリートビューで確認できました。これは、41年間使用され続けている実績を示していますが、この間に大規模な更新工事が行われた事例もあるため、一概に経年劣化に晒されているわけではありません。

種類と所有者

UT1形コンテナには、複数の番号系列があり、各番台ごとの用途や所有者も多様です。例えば、001から648まではさまざまな化学製品や食品専用に分類され、その中で特に次亜塩素酸ソーダやラテックス、牛乳や水飴などの専用コンテナが見受けられます。

後の番号系列である1001から1050までには、牛乳専用のコンテナも存在し、現代の物流にも広く利用されています。しかし、現在の登録は新形式のタンクコンテナに移行しているため、これ以上の新規登録は行われていません。

結論

国鉄UT1形コンテナは、日本の貨物輸送において重要な役割を果たしており、長い歴史を背景にさまざまな物品の輸送に貢献しています。そのデザインや用途は多様で、今後も物流の一部として利用され続けることでしょう。

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