西大分駅

西大分駅：歴史と現在を繋ぐ日豊本線の駅

西大分駅は、大分県大分市生石に位置する九州旅客鉄道（JR九州）および日本貨物鉄道（JR貨物）日豊本線の駅です。1911年（明治44年）11月1日の開業以来、地域住民の足として、そして貨物輸送の要として、長きにわたり重要な役割を担ってきました。

歴史を刻む軌跡

西大分駅の歴史は、1911年の鉄道院駅としての開業に始まります。その後、1955年（昭和30年）には大分港駅までの貨物支線が延伸され、貨物輸送の拠点としての地位を確立しました。1966年（昭和41年）には日豊本線の大分駅 - 西大分駅間が複線化され、輸送能力の向上が図られました。しかし、1984年（昭和59年）に西大分駅 - 大分港駅間の貨物支線が廃止となり、1987年の国鉄分割民営化によりJR九州とJR貨物の駅となりました。 その後も、1990年（平成2年）には駅構内で事件が発生するなど、様々な出来事を経て現在に至っています。2012年（平成24年）にはICカードSUGOCAが導入され、利用者の利便性も向上しました。そして2023年（令和5年）10月には、JR九州サービスサポートからの委託から、JR九州本体による直営駅への移行が完了しました。駅東側には、かつて大分交通別大線の「西大分電停」が存在していましたが、1972年（昭和47年）に廃止されました。

駅構造と設備

西大分駅は、島式ホーム1面2線と貨物用ホーム1面2線を有する地上駅です。駅舎とホームは跨線橋で結ばれており、バリアフリーにも配慮されています。ホームのない側線が複数存在し、貨物列車の運行を支えています。木造の駅舎は、歴史を感じさせる風格を保っています。JR九州直営駅ですが、駅長は配置されていません。きっぷうりばが設置され、ICカードSUGOCAは出入場とチャージに対応しています。

活気ある貨物輸送の拠点

駅舎の東南側には、JR貨物が使用するコンテナホームがあります。貨物列車専用の着発線はなく、上下本線の外側に並行する側線を活用して貨物列車の入出庫が行われています。コンテナホームの長さには限りがあるため、コンテナ列車の編成を分割・連結する入換作業が必要であり、小型ディーゼル機関車が活躍しています。2021年（令和3年）9月には、DB500形ディーゼル機関車51・52号機が配置され、入換作業の効率化が図られました。駅構内には、JR貨物大分・宮崎営業所や大分総合鉄道部が入居する2階建ての総合事務所があります。コンテナ積み降ろし作業は、JR貨物グループ企業のジェイアール貨物・九州ロジスティクスが行っています。
昭和40年代にはコンテナ輸送が急増し、住友化学や昭和電工の薬品やポリエチレン、引越、合板、菓子類などが多く輸送されていました。かつては、富士紡績大分工場（現・フジボウテキスタイル大分工場）への専用線や、大分港駅まで伸びる貨物支線（大分港臨港線）が存在していましたが、現在は廃止されています。
現在も12ft、20ftコンテナを取り扱い、産業廃棄物の取扱許可も取得しています。2020年3月改正時点では、北九州貨物ターミナル駅方面と延岡駅方面を結ぶ高速貨物列車が1日2往復停車します。また、陸上自衛隊の演習輸送など、臨時の貨物列車も運行されることがあります。

利用状況と周辺環境

西大分駅の利用状況は、昭和40年代には年間14万人を超える乗車人員を記録していました。2015年（平成27年）度の乗車人員は16万人を超えています。駅周辺では、毎年9月14日から20日にかけて、柞原八幡宮の仲秋祭「浜の市」が開催され、多くの人で賑わいます。

アクセス

西大分駅周辺には、大分交通のバス路線が充実しています。国道10号沿いには「西大分停留所」があり、高崎山・別府方面、下八幡方面、大分駅前方面など、様々な方面への路線が運行されています。また、別府寄りの「かんたん停留所」には、亀の井バスの路線も停車していましたが、2013年3月16日のダイヤ改正で大分市内への乗り入れが廃止されました。

隣の駅

西大分駅は、東別府駅と大分駅の間にある日豊本線上の駅です。かつては、大分港駅まで貨物支線が延伸していました。

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