國分正胤

國分 正胤（こくぶ まさたね）

國分正胤は、1913年7月21日に東京府で生まれ、2004年7月7日に亡くなった、日本を代表する土木工学者です。彼は国分青崖の孫にあたります。彼の教育とキャリアは、昭和から平成の時代にわたり、土木工学の発展に大きく寄与しました。

学歴と職歴

國分は、旧制七年制高等学校を卒業後、東京帝国大学工学部土木工学科に進学し、1936年に卒業しました。その後、東京府に努めましたが、1938年から1945年にかけての兵役を経て、1943年には東京帝国大学の助教授に任命されることになります。戦後の1950年には、吉田徳次郎の後を受けて東京大学の教授となり、1974年に定年を迎えるまでその職にありました。定年後は、武蔵工業大学で教授として新たな道を歩み、1984年まで在職。その後、足利工業大学で顧問教授を歴任しました。

専門分野と業績

國分は、土木工学の進歩に貢献するとともに、学術団体にも深く関与しました。彼は、1961年に土木学会内で「吉田賞」を創設しました。この賞は、彼の恩師である吉田徳次郎への敬意を表したものです。また、彼は1961年から1982年にかけて、土木学会のコンクリート委員会の委員長を務め、コンクリートに関する標準示方書の改訂に尽力しました。こうした取り組みは、土木工学の実務界における基準を定めるうえで重要な役割を果たしました。

さらに、1962年には日本ACI（現在の日本コンクリート工学会）の発起人に名を連ね、1971年にはアメリカコンクリート学会の名誉会員に就任しました。1979年には、土木学会の第67代会長として、団体のさらなる発展に寄与しました。

1991年には「混和材料の複合がコンクリートのワーカビリティ・耐久性・強度に及ぼす影響に関する研究」により、日本学士院賞を受賞しました。これは、彼の研究が土木工学の分野において高く評価される指標となった瞬間です。

その他の活動

彼の影響は土木工学だけにとどまらず、1963年から6年間は東京大学硬式野球部の部長を務め、東京六大学野球連盟の理事長としても活動しました。スポーツにも情熱を注ぎ、教育者としての側面も持っていた彼は、学生たちにとってのロールモデルであり続けました。

まとめ

國分正胤は、その専門知識と人柄で多くの人々に影響を与え、土木工学の発展に多大な貢献をしました。彼の業績は、後世にわたって称賛され、業界でのしっかりとした基盤を築いたことから、土木工学において重要な人物として記憶され続けるでしょう。

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