園田義男

園田義男：柔道家、指導者としての生涯

園田義男（そのだ よしお、1945年8月30日 - 2018年1月29日）は、日本の柔道家であり、講道館9段という段位を持つ人物です。彼の柔道人生は、数々の輝かしい実績と、後進の育成に捧げた情熱によって彩られています。また、弟はモントリオール五輪金メダリストの園田勇であることも特筆されます。

生い立ちと柔道との出会い

終戦直後の1945年、福岡県山門郡三橋町（現・柳川市）で生まれた園田は、5人兄弟の3男でした。実家は農業と養豚を営んでおり、父親は厳格な人物でした。幼少期は病弱で、周囲からはその生命を危ぶまれるほどでしたが、徐々に成長し、地元の三橋中学校で柔道部に入部します。2つ年上の兄の影響で始めた柔道でしたが、努力を重ねるうちに才能が開花し、中学3年次には県大会で好成績を収めるまでになりました。柳川高校と福岡電波高校（現・福岡工業大学附属城東高校）からの誘いを受け、父の勧めで福岡電波高校に進学。

学生時代から世界へ

福岡電波高校に進学後、弟の勇も入学し、互いに切磋琢磨しながら柔道に打ち込みました。高校時代には金鷲旗大会で優勝し、主将も務めました。その後、福岡工業大学に進学し、1965年の全日本学生選手権大会で優勝。地方大学の学生としては初の快挙でした。1966年には世界学生選手権大会で優勝、全日本選抜体重別選手権大会で3位入賞と、その実力をシニアの舞台でも示しました。1967年のユニバーシアードでは、弟の勇と共に兄弟で金メダルを獲得し、世界にその名を知らしめました。

世界選手権での兄弟優勝

大学卒業後、日本運送に就職した園田は、1969年の世界選手権大会に出場。軽量級決勝で勝利し、金メダルを獲得しました。弟の勇も中量級で優勝し、世界大会史上初の兄弟優勝という偉業を成し遂げました。

指導者としての道

現役引退後、園田は指導者としての道を歩み始めます。母校である福岡工大附属城東高校で教鞭を執り、柔道部を指導しました。谷亮子や日下部基栄など、数々の名選手を育て上げ、同校を全国レベルの強豪校に育て上げました。特に、谷亮子の才能を見抜き、彼女が世界で活躍するための土台を築いたことは、彼の指導者としての才能を物語るエピソードです。園田自身も練習に積極的に参加し、自ら体を張って指導するスタイルは、生徒たちの模範となりました。

2000年のシドニー五輪では、教え子の田村（谷）亮子と日下部基栄が揃ってメダルを獲得し、その指導者としての手腕を改めて証明しました。田村が決勝後に園田の胸に飛び込んできたシーンは、多くの人々に感動を与えました。

学校運営への貢献と晩年

園田はその後も、福岡工業大学の理事・評議員や附属城東高校の校長代理として学校運営に携わる傍ら、柔道部の監督・部長として後進の育成に尽力しました。2009年4月から2016年8月には福岡工業大学附属城東高校の校長を務め、柔道のみならず広く青少年育成に貢献しました。2018年1月29日、大動脈瘤破裂のため72歳で逝去されました。

主な戦績

1965年 - 全日本学生選手権大会（軽量級） 優勝
1966年 - 世界学生選手権大会（軽中量級） 優勝
1967年 - ユニバーシアード（軽量級） 優勝
1969年 - 世界選手権大会（軽量級） 優勝

園田義男は、選手としてだけでなく、指導者としても偉大な足跡を残しました。彼の柔道に対する情熱と、後進育成への貢献は、多くの人々に感銘を与え、その功績は永く語り継がれることでしょう。

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