土佐くろしお鉄道宿毛線

宿毛線（すくもせん）

宿毛線は、高知県宿毛市の宿毛駅から四万十市の中村駅を結ぶ、土佐くろしお鉄道の鉄道路線です。中村線と共に「四万十くろしおライン」という愛称で親しまれています。

概要

宿毛線は、元々国鉄の建設線を引き継いで開業した経緯があり、起点は中村線と接続する中村駅ではなく、宿毛駅となっています。駅ナンバリングはTKで、JR四国や土佐くろしお鉄道中村線と連番になっています。
路線の多くはトンネルと高架橋で占められており、踏切はごくわずかしかありません。

路線データ

管轄：土佐くろしお鉄道（第一種鉄道事業者）
建設主体：日本鉄道建設公団（現 鉄道建設・運輸施設整備支援機構）
営業キロ：23.6km
軌間：1,067mm（狭軌）
駅数：8駅（起終点駅含む）
複線区間：なし（全線単線）
電化区間：なし（全線非電化）
閉塞方式：単線自動閉塞式
保安装置：CTC、PRC
交換可能駅：1駅（有岡駅）
最高速度：120km/h
最小曲線半径：350m
最急勾配：25‰

運行形態としては、正式な起点は宿毛駅ですが、列車運行上は中村駅から宿毛駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっています。

運行状況

優等列車

現在、高知駅発着の特急「あしずり」と高松駅行きの特急「しまんと」が乗り入れています。土佐くろしお鉄道も特急用車両を保有し、JR四国と同型の2700系気動車を使用しています。

過去には高松駅からの特急「しまんと」が直通していましたが、ダイヤ改正により高知駅発着に統一され、宿毛線内での運用は「あしずり」に置き換えられました。その後も何度かダイヤ改正が行われ、直通列車の本数は変動しています。

普通列車

普通列車は1～2時間に1本程度の運行で、ワンマン運転が行われています。中村駅で特急列車と接続するダイヤが組まれています。また、中村線に直通する列車も朝夕に設定されています。

歴史

宿毛線の建設は、四国における鉄道建設の遅れを背景に、地元住民の熱心な働きかけによって実現しました。1922年には改正鉄道敷設法に予定線として掲載され、建設が具体化しました。しかし、その後の建設ルートをめぐって様々な議論があり、紆余曲折を経て1970年代に中村線と予土線が開通しました。

宿毛線は、四国循環鉄道の海岸ルートの一部として計画され、1962年に調査線、1964年に工事線となりました。1974年に着工しましたが、国鉄の経営悪化により1981年に工事が凍結されました。その後、第三セクター方式での引き受けが決まり、1987年に工事が再開され、1997年に開業に至りました。

開業後も、高速化事業やダイヤ改正などが行われ、地域住民の足として、また観光客にとっても重要な役割を果たしています。

年表

1962年（昭和37年）3月29日：宿毛線が調査線となる。
1964年（昭和39年）6月25日：宿毛線が工事線に昇格する。
1974年（昭和49年）2月1日：宿毛線宿毛 - 中村間着工。
1981年（昭和56年）10月：工事凍結。
1986年（昭和61年）5月8日：土佐くろしお鉄道株式会社発足。
1987年（昭和62年）3月12日：宿毛線工事再開。
1997年（平成9年）10月1日：宿毛線宿毛 - 中村間開業。
2015年（平成27年）9月26日：愛称が「四万十くろしおライン」に決定。

駅一覧

宿毛線には以下の駅があります。

宿毛駅
東宿毛駅
平田駅
工業団地駅
有岡駅
国見駅
具同駅
* 中村駅

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