土屋数直

土屋 数直（つちや かずなお）

土屋数直は、江戸時代前期の著名な大名であり、常陸土浦藩の初代藩主です。彼は江戸幕府の若年寄や老中としても重要な役割を果たしました。数直の生涯は波乱に満ち、数々の重要な地位を経験しながら幕府に寄与しました。

生涯

土屋数直は慶長13年（1608年）に、上総久留里藩の初代藩主である土屋忠直の次男として生まれました。兄の利直が家督を継承したため、数直は早くから名家の血筋ながらも独自の道を歩み始めます。彼は元和2年（1616年）、第2代将軍・徳川秀忠に謁見し、その後は秀忠の指示で徳川家光に仕官しました。数直は元和8年（1622年）に家光の近衛近習に任命され、彼の信任を得ることになります。

寛永元年（1624年）には500俵の俸禄を受け、さらに翌年には従五位下・大和守に叙任されました。その後も寛永5年（1628年）には上総に200石を与えられ、寛永9年（1632年）からは進物番にも任じられました。これに続く寛永10年（1633年）には常陸で200石を受け取り、寛永18年（1641年）には書院番組頭としての重要な職務に就きました。

数直は慶安元年（1648年）に小姓組番頭に任命され、慶安4年（1651年）には1000俵の加増を受けました。全体として彼の俸禄は年々増加し、承応2年（1653年）に久世広之や牧野親成と共に4代将軍・徳川家綱の御側に任じられました。明暦2年（1656年）には2000俵取りに加増され、明暦3年（1657年）には常陸宍戸でさらに1300石を加増されました。

寛文2年（1662年）には合計で1万石を与えられて若年寄に任命され、寛文4年（1664年）にはさらに5000石の加増がありました。寛文5年（1665年）には老中に就任し、他の老中たちと共に幕府の政治に参与することとなります。彼は寛文6年（1666年）には2万石、寛文9年（1669年）には1万石の加増を受け、最終的には合計で4万5000石の大名となりました。

また、寛文10年（1670年）には侍従に任官され、次の年に伊達騒動に関与した当事者を召喚し、審問を行いました。数直は文化人としての側面も持ち、山鹿素行を藩邸に招くなど、当時の学者や文化人との交流も行いました。しかし、経済に関してはあまり得意ではなかったとの記録があります。

老中として江戸に長く在府していたため、藩政は彼の長男・政直に委ねていました。そして、延宝7年（1679年）4月2日、数直は72歳で亡くなりました。彼の死後、藩は息子の政直が引き継ぎました。

系譜

• - 父: 土屋数直（父）
• - 母: 森川氏俊の娘
• - 正室: 水野忠貞の娘
• - 子女:

- 土屋政直（長男、生母は正室）
- 水野雅直
- 渡辺進（正室）
- 稲葉正休（正室）

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