土湯峠

土湯峠（つちゆとうげ）

福島県福島市と福島県耶麻郡猪苗代町の間にある、標高1,240mの峠。

概要

吾妻連峰と安達太良連峰の鞍部に位置し、自然豊かな景観が広がります。峠には福島県道30号本宮土湯温泉線と福島県道70号福島吾妻裏磐梯線（磐梯吾妻スカイライン）の交差点があり、観光の拠点となっています。

かつては磐梯吾妻スカイラインの料金所（土湯ゲート）が設けられていましたが、現在は無料開放されています。周辺には土湯峠温泉郷があり、温泉宿が点在し、四季折々の自然を満喫できる観光地として親しまれています。

歴史

土湯峠は、江戸時代から物資輸送の要衝として重要な役割を果たしてきました。1669年（寛文9年）以降、福島から阿武隈川の水運を利用して江戸や大坂へ物資を送るため、会津藩によって峠道の改修が進められました。

明治時代に入ると、1879年（明治12年）に里道一等に指定され、1929年（昭和4年）には福島県道に編入。交通インフラとしての重要性が高まりました。

現在のルートは、1932年（昭和7年）から1938年（昭和13年）にかけて、吾妻裏磐梯観光道路として福島県によって建設されました。それ以前の峠道は、現在の峠から東南東へ約1.5km離れた場所に位置していました（旧土湯峠、標高1,272m）。

1959年（昭和34年）には磐梯吾妻道路が開通し、土湯峠に料金所が設置されました。その後、1962年（昭和37年）に二級国道115号、1965年（昭和40年）に一般国道115号に指定。1969年（昭和44年）には全線舗装されましたが、冬季は積雪のため通行止めとなっていました。

1989年（平成元年）に土湯トンネルを含む土湯バイパスが開通したことで、国道115号はバイパスへと移行。峠部分は、福島市側が福島県道30号本宮土湯温泉線、猪苗代町側が福島県道70号福島吾妻裏磐梯線となりました。

現在

現在、土湯峠は、磐梯吾妻スカイラインへのアクセスポイントとして、多くの観光客が訪れます。周辺の温泉地とともに、自然を満喫できる観光スポットとして、その魅力を発信し続けています。

参考文献

建設省東北地方建設局福島工事事務所・福島県土木部福島建設事務所・喜多方建設事務所『一般国道115号 土湯道路工事誌』 社団法人 東北建設協会、1990年、104-108頁。

関連項目

日本の峠一覧

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