磐梯吾妻道路

磐梯吾妻道路（磐梯吾妻スカイライン）

磐梯吾妻道路、通称「磐梯吾妻スカイライン」は、福島県福島市に位置する、吾妻連峰を縦走する全長28.7kmの山岳観光道路です。かつては福島県道路公社が管理する有料[[道路]]でしたが、2013年に無料開放され、現在は福島県道70号福島吾妻裏磐梯線の一部として利用されています。無料化後も「磐梯吾妻スカイライン」の名称は、通称として広く使われています。

概要

この道路は、福島市の高湯温泉から浄土平を経由し、土湯峠へと至ります。平均標高1,350mの山岳地帯を走り抜け、変化に富んだ景観が特徴です。1959年に東北地方の山岳観光有料[[道路]]の先駆けとして開通し、その景観の美しさから「日本の道100選」にも選ばれています。

有料[[道路]]時代には普通車で1,570円の通行料金が必要でしたが、2013年7月25日に料金徴収期間が満了し、恒久的に無料となりました。ただし、11月中旬から翌年4月上旬までは冬季閉鎖となるため注意が必要です。

路線データ

路線名: 福島県道70号福島吾妻裏磐梯線
起点: 福島市町庭坂
終点: 福島市土湯温泉町
延長: 28.7 km

歴史

この道が開かれる以前は、山伏が修行するための登山道として、浄土平までの路が通じていたとされています。1953年に福島県が観光・産業開発を目的に着工しましたが、1957年に日本[[道路公団]]が工事を引き継ぎ、1959年に開通しました。当時は高度経済成長期で、モータリゼーションの波に乗り、多くの人々がこの道路を利用しました。2011年の東日本大震災後には、観光復興策の一環として通行料の無料化が実施され、現在に至っています。

年表

1959年11月6日：開通（事業主体と管理は、旧・日本[[道路公団]] (JH)）
1972年1月1日：管理業務を、旧・日本[[道路公団]] (JH) から福島県道路公社へ移管。
2011年7月16日：福島県内の他の2有料[[道路]]と共に、年度限定で無料開放を実施。
2012年：無料開放継続。
2013年7月26日：恒久的に無料開放。

路線状況

関東地方からのアクセスも良く、多くの観光客が訪れます。道路の最高地点付近には、休憩施設である浄土平レストハウス（浄土平パーキングエリア）があります。冬季閉鎖期間があるため、訪れる際は事前に確認が必要です。

有料[[道路]]時代の通行料金

普通車: 1,570円
大型車（I）: 2,410円
大型車（II）: 5,570円
軽自動車等: 1,150円
軽車両等: 150円

道路施設

* 不動沢橋: 吾妻八景の一つ「つばくろ谷」（不動沢）に架かる橋で、磐梯吾妻スカイラインを代表する景観の一つ。周辺には駐車場や休憩所も整備されています。

地理

磐梯朝日国立公園内に位置し、蔵王連峰や安達太良山、磐梯山など雄大な山々を望むことができます。沿線には噴火口や湖沼、湿地帯など変化に富んだ地形が広がります。標高の低い場所では深い森林が広がり、標高が高くなるにつれて立ち枯れの木々が目立ち始めます。硫黄の香りが漂う温泉街をいくつか通り過ぎ、山頂付近では岩肌が露出した荒涼とした景観となります。

道路の最高地点は標高1,622mで、起点となる高湯温泉との標高差は約850mあります。道路の中間地点には、吾妻小富士と一切経山の鞍部が開けた浄土平という火山荒原が広がっており、特別保護地区に指定されています。浄土平にはパーキングエリアがあり、ハイキングや登山客の拠点となっています。浄土平から北へ進むと、紅葉の名所である天狗の庭や不動沢橋、蔵王を望む白樺の峰があります。一方、南側の土湯峠からは、ブナの樹海の中をヘアピンカーブが続く道が走り、安達太良山や磐梯山、裏磐梯の湖などの景色を楽しむことができます。途中にある天風境の駐車場は、展望台として利用されています。特に眺望が良い8つの景勝スポットは、作家の井上靖によって「吾妻八景」と名付けられ、広く知られています。

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