土肥幸広

土肥幸広：小倉の鬼と呼ばれた名騎手の軌跡

1961年11月25日、広島県で生まれた土肥幸広氏は、1982年3月、騎手としてデビューを飾ります。栗東・松田由太郎厩舎に所属し、松田幸春の弟弟子として競馬界の道を歩み始めました。デビュー戦は中京[[競馬場]]でしたが、初勝利は阪神競馬場でのことでした。

若手時代を経て、1984年からフリーとして活躍の場を広げます。そして1986年、18番人気という低評価を覆し、イズミスターで金鯱賞を制覇。重賞初制覇という大きな成果を手にしました。

土肥氏を語る上で欠かせないのが、小倉[[競馬場]]での圧倒的な強さです。北九州記念を3勝、小倉大賞典を1勝と、小倉[[競馬場]]では幾多の名勝負を繰り広げました。1993年と1994年には、中京[[競馬場]]で代替開催された中京記念を連覇するという偉業も達成しています。

数々の名馬とのコンビも記憶に残ります。ワイドバトル、アラシ、サマニベッピンなど、クセのある個性的な馬を巧みに乗りこなし、数々の勝利をもたらしました。加藤敬二厩舎や吉永猛厩舎の管理馬に騎乗する機会も多く、これらの厩舎との信頼関係も彼の成功の鍵の一つだったと言えるでしょう。

しかし、彼の騎手生活は順風満帆ではありませんでした。1992年、同僚の丸山勝秀による窃盗事件に巻き込まれるという辛い経験もしています。丸山氏は土肥氏の所有する記念品を無断で持ち出し、質屋で換金したのです。この事件は、丸山氏の多額の借金が原因であったと言われています。

2004年4月30日、6723戦551勝、重賞15勝という輝かしい戦績を残し、土肥氏は現役を引退します。引退後は南井克巳厩舎の調教助手として第二の人生を歩み始めます。南井氏とは、南井氏の引退レースで土肥氏が鞭を貸したという深い縁がありました。その後、大根田裕之厩舎に移籍しました。

2017年6月、病気のため55歳という若さで亡くなっていました。その死は2019年4月29日、ラジオNIKKEIの放送で初めて公表されました。

土肥幸広氏は、小倉[[競馬場]]を制した名手として、また、個性的な名馬たちとの名コンビとして、競馬史にその名を刻みました。彼の数々の名勝負は、多くの競馬ファンの記憶に鮮やかに残っています。彼の功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

主な騎乗馬

ワイドバトル (1992年小倉大賞典)
アラシ (1992年福島記念、1993年中京記念)
シルクムーンライト (1993年北九州記念)
シマノヤマヒメ (1994年中京記念)
サマニベッピン (1995年金鯱賞、府中牝馬ステークス、阪神牝馬特別)
テイエムオオアラシ (1997年カブトヤマ記念、福島記念)
タヤスメドウ (2000年新潟大賞典)
その他：ハギノリアルキング、エリモエクセル、サンドピアリス、シルクフェイマス、リードワンダー、エイシンサンサンなど

もう一度検索