地御前駅

地御前駅について

地御前駅（じごぜんえき）は広島県廿日市市地御前五丁目に位置する、広島電鉄宮島線の駅です。駅の番号はM36であり、地域の重要な交通拠点として機能しています。

歴史的背景

地御前駅は1925年に開業されました。この駅の設立は、宮島線の延伸に伴うもので、広島瓦斯電軌社の路線として廿日市町駅から続いています。当初は、宮島口方面への延伸が計画されていましたが、工事が遅れたため、開業時には地御前までに制限されていました。その後、開業にあわせて広島瓦斯電軌社は海運業にも進出し、駅の西側には桟橋が設置され、厳島（宮島）と直結する連絡船が就航しました。この桟橋の場所からも、連絡船への利用が促されていましたが、駅からは距離があったため、乗り換えには歩行または乗合バスの利用が必要でした。

1926年には、地御前から桟橋近くの新宮島駅までの延伸が完了し、乗り換えの不便さが解消されました。その際、地御前終点駅は廃止され、新たに地御前海岸仮停留場が設置されました。これは主に夏季の海水浴客のために作られたと考えられていますが、1930年以降には再び廃止されました。

駅の構造

地御前駅は、地上に位置する駅で、2面のホームがあります。ホームは2本の線路に挟まれて配置されており、互いのホームは斜向かいになっています。上り線は広電西広島駅方面に向かい、下り線は広電宮島口駅方面に向かいます。両ホームの間には踏切があり、1987年にホームの移設が行われました。この構造は、利用者が安全にホームに入るための工夫であり、無理な踏切の横断を防ぎます。

上りホームの広電西広島寄りと下りホームの広電宮島口寄りには、かつて宮島線内で使用されていた高床ホームも残されています。

利用状況

近年のデータによると、地御前駅の1日あたりの平均乗降人員には減少傾向が見られます。特に1998年には、隣接するJA広島病院前駅の開業により大幅に利用者が減少しました。

周辺情報

地御前駅の東側には、国道2号を越えるとすぐに瀬戸内海に出ます。宮島線はこの地域から先、海岸沿いを走行し、周辺ではカキの養殖が盛んです。海面には多くの養殖いかだが浮かんでおり、訪れる人々に美しい風景を提供しています。一方、西側には静かな住宅街が広がっています。

南方面に徒歩約10分の距離には、厳島神社の摂社である地御前神社があります。この神社は、厳島の戦いで毛利氏の拠点として知られています。また、過去にあった地御前海岸仮停留場もこの神社の前に設けられていました。現在も神社前を通る宮島線の線路脇にはホームが残されており、電車からその遺構を観察することができます。

隣接駅

地御前駅の近くには、JA広島病院前駅（M35）と阿品東駅（M37）があり、宮島線における重要な交通網を形成しています。

参考文献

• - 長船友則『広電が走る街 今昔』JTBパブリッシング
• - 『広島電鉄開業100年・創立70年史』広島電鉄
• - 廿日市市分権政策部広報統計課編『廿日市市統計書』各年版

地御前駅はその近隣に美しい海や歴史的な神社を持ち、地域の文化や景観を楽しむことができるスポットといえるでしょう。

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